元厚生労働副大臣が指摘 介護保険制度の矛盾

2014年08月04日 08:18

 桜井充・元厚生労働副大臣(医師・参院議員)は福祉施設の職員が努力し要介護者の自立を助けて介護度を改善させればさせるほど施設経営が苦しくなる矛盾があると介護保険制度の問題点を指摘し、制度改正を提起している。

 桜井元厚生労働副大臣は「介護保険制度に様々な問題点がある」としたうえで、一例に「努力するほど報酬が減ってしまう」と問題提起。「介護利用者に対しリハビリを行うが、要介護5だった人が要介護4に改善すると施設収入が減る。施設職員が一生懸命リハビリを行って、利用者は元気になるかもしれないが、施設経営は苦しくなってしまう。本当におかしな話だ」と改善を提起する。

 桜井元厚生労働副大臣は「利用者の状態が良くなった結果、施設の収入が減るのでは自分の首を絞めることになるので、努力したくなくなるのは当然」とし「現在の介護保険制度は努力しても報われない制度」であり、改善のため「施設入所者が介護認定を受けて要介護度が下がったとしても、入所時と同じ介護度にし、収入が減らないようにする必要がある」とした。

 桜井元厚生労働副大臣は「こうした制度になれば努力すると報われることになり、利用者の状態は良くなるし、介護労働者の喜びでもある。食事ができなかった人が自分で食事ができるようになれば介護職員の負担も軽減される」と提起している。(編集担当:森高龍二)