日新製鋼＜5413＞は三菱UFJ証券が目標株価を引き下げ36円安で値下がり率9位。ヒト型ロボット採用も想定し伸び縮みする電線を発売する旭化成＜3407＞は3.6円高。富士フイルムHDは、菅官房長官が記者会見でWHOや医療従事者の要請があればエボラ出血熱には未承認の薬でも提供する用意があると話し、後場上昇して売買代金7位に入り124.5円高。政治家がリーダーシップをとれば、人事こそ最大の関心事の官僚は黙る。
中外製薬は、ロシュがアメリカのバイオ医薬品メーカー、インターミューン社を83億ドルで買収すると報じられ、ロシュの完全子会社化の話は白紙に戻って売買代金6位、335円安で値下がり率1位の売り浴びせを受け18日に急騰する前の水準に戻った。あれは真夏のかげろうだったのか、それともインターミューンが本命のロシュに〃恋のかけひき〃の当て馬にされたのか？ 中外製薬とともに飛ばし記事被害者の会会員のスカイマーク＜9201＞も7円安で値下がり率7位だった。国内首位の医薬品卸アルフレッサHD＜2784＞は、9月30日時点の株主を対象に1対4の株式分割を実施すると発表し100円高。同時に期末配当予想を55円から14円に修正し、分割を考慮すると実質1円増配。
伊藤ハム＜2284＞は1000万株、60億円上限の自社株買いを発表。発行済株式の4.6％に相当し28円高で年初来高値更新。西松屋チェーン＜7545＞は8月度（20日まで）の既存店売上高を発表。台風、大雨の影響で4.8％減で5円安。アダストリアHD＜2685＞は18円安で年初来安値を更新した。
すかいらーくの再上場申請は今週中にも東証から承認がおり、早ければ9月下旬に東証1部に上場する見通し。時価総額は3000億円程度とみられる。昔からライバルのロイヤルHD＜8179＞は2円高。外食首位の日本マクドナルドHD＜2702＞は35円安だった。ステーキレストランのブロンコビリー＜3091＞は公募増資などで約31億円を調達すると発表し、発行済株式数の13.9％に及ぶのを嫌気され115円安で値下がり率8位。
パーク24＜4666＞は11～7月期の営業利益が7％減の125億円という業績観測記事が出て23円安。1～6月のスポーツ消費が13年ぶりの高水準という記事が出てミズノ＜8022＞は2円高、アシックス＜7936＞は30円高、セントラルスポーツ＜4801＞は32円高で年初来高値を更新した。
テーマ株、低位株、新興市場が物色される日で、ゲーム・コンテンツ関連は恋愛ゲームのボルテージ＜3639＞が265円の大幅高で値上がり率3位、Klab ＜3656＞も売買高13位、売買代金1位で58円高、モンストのミクシィ＜2121＞も290円高だったが、ネコのコロプラ＜3668＞は売買代金5位で50円安。リブセンス＜6054＞は23日のIRイベントで投資家説明会を開き、村上太一社長が披露した中期経営計画が好感され77円高で値上がり率11位。日本エンタープライズ＜4829＞はストップ高比例配分の100円高で値上がり率4位。連騰劇はいつまで続くのか。それに類似した値動きの日本MDM＜7600＞は46円高で値上がり率7位だった。
新興市場は日経ジャスダック平均が年初来高値を更新して1.43％上昇し、東証マザーズ指数が3.28％上昇の大幅高で高値引け3日続伸。信用規制が解除されたサイバーダイン＜7779＞の265円高、同じロボット関連で1株を3株に分割すると発表したハーモニックドライブ＜6324＞の255円高、三菱UFJ証券が目標株価を引き上げた日本マイクロニクス＜6871＞の440円高、超早期段階でがん細胞を検出する検査サービス事業を立ち上げストップ高比例配分で150円高のオンコリスファーマ＜4588＞、アトピー性皮膚炎治療用軟膏製剤について国内で第3相の臨床試験に移行すると発表し22円高のアンジェスMG＜4563＞などが目立っていた。
この日の主役はカジノ関連。東京都が方針を転換して有力候補地のお台場の都有地を他の用途に貸し出し、カジノ担当部署を格下げした。舛添要一知事はそのお台場のテレビ局の報道番組で「カジノは賭博。青少年への悪影響とかいろいろある」「そんなものなくてもよい」など推進派の心臓が止まりそうな発言。「築地カジノ構想」まで飛び出す過熱に今はやりの「氷水」がぶっかけられたようなもので、国会でのカジノ関連法案の審議の行方も含め事態は一転、混沌としてしまった。
ところが、関連銘柄代表格の日本金銭機械＜6418＞は44円高、オーイズミ＜6428＞は11円高。しかも横浜誘致の京急＜9006＞が2円安でフジメディアHD＜4676＞が9円高ということは、「東京がダメなら横浜があるさ」ではなく東京で逆転打が打てる望みありという読みか？ 極めつきはイチケン＜1847＞で、朝から飛ばし一時ストップ高の60円高で年初来高値を更新し値上がり率2位、売買高5位、売買代金15位。これは「雨降って地固まる」ということなのだろうか？（編集担当：寺尾淳）
