【今週の振返り】夏の終わりの好材料と悪材料のハーモニー

2014年08月24日 20:29

今週、8月第5週(25~29日)は5日間の取引。早いもので今週29日は8月の取引最終日。子どもたちの夏休みも今週で終わって来週からは2学期が始まる。マーケットもいろいろなことがあった今年の夏の終わりをハッピーに締めくくれるだろうか? 9月3日の内閣改造に向けて政界の動きがあわただしくなりそうで、マーケットに影響を与えるような政策の話題も飛び出しそうだ。

世界の主要国の株式市場は、25日はフィリピンが「国家英雄の日」で休場する。19世紀にスペイン、アメリカの支配に抵抗した独立運動の英雄を称える日。英国のロンドン市場は「サマー・バンク・ホリデー」で休場する。29日はインドのムンバイ市場が「ガネーシャ・チャトゥルティ祭」で休場する。ガネーシャはヒンズー教のゾウ顔の神様。

国内の経済指標の発表は月末の金曜日にあたる29日の取引時間前に集中する。小売業の統計を見ると消費増税後の反動減が長引いているので、労働力調査が少し気になるところ。25日は7月の外食産業売上高、26日は7月の企業向けサービス価格指数、パソコン国内出荷実績、28日は7月の建設機械出荷額、自動車各社の生産・販売実績、29日は7月の労働力調査(失業率、有効求人倍率)、家計調査、消費者物価指数(CPI/全国7月、東京地区8月)、商業販売統計、鉱工業生産指数速報値が、それぞれ発表される。

25日に気象庁から9~11月の3カ月予報が発表される。近年は地球温暖化のせいなのか「9月いっぱい残暑が続く」という年が多いが、秋が早く来れば秋冬物の販売の出足が良くなり景気には好都合。27日は8月決算銘柄の配当権利落ち日。「日経平均寄与度御三家」のファーストリテイリング<9983>も8月決算なので日経平均に影響する可能性がある。配当権利落ち日でも、その前営業日の権利付き最終売買日でも、指数寄与度は修正されない。「JPX日経400」は7日に発表されたように31銘柄が入り替わって、29日から新しい400銘柄で算出される。31日にインドのモディ首相が来日。安倍首相と日印首脳会談を行う。

主要企業の決算発表は閑散。新規IPOは9月11日までお休み。25日はアインファーマシーズ<9627>、26日はスリープロG<2375>、27日はラクーン<3031>、28日はパーク24<4666>、菱洋エレクトロ<8068>、29日はエイチ・アイ・エス<9603>、ACCESS<4813>、大和コンピューター<3816>、くらコーポレーション<2695>、土屋HD<1840>が発表する。

海外の経済指標は、25日、26日のアメリカの住宅指標に引き続き注目。悪ければ「利上げ遠のく」観測でNYダウが上昇し、良ければ「利上げ早まる」観測でNYダウが下落することも考慮に入れる必要がある。

25日はドイツの8月のIFO企業景況感指数、アメリカの7月のシカゴ連銀全米活動指数、新築住宅販売件数、26日はアメリカの7月の耐久財受注、6月のFHFA住宅価格指数、S&P/ケース・シラー住宅価格指数、8月のCB消費者信頼感指数、28日はドイツの8月の失業率、消費者物価指数(CPI)、ユーロ圏の8月の消費者信頼感指数、アメリカの4~6月期国内総生産(GDP)二次改定値、7月の仮契約住宅市場指数、29日はインド、ブラジルの4~6月期国内総生産(GDP)、ユーロ圏の7月の失業率、アメリカの7月の個人所得、個人消費支出、8月のシカゴ購買部協会景気指数、ミシガン大学消費者信頼感指数改定値が、それぞれ発表される。

26日にベラルーシの首都ミンスクでウクライナとロシアの首脳会談が開かれる。EUの代表、ベラルーシとカザフスタンの大統領も話し合いに加わる。ユーロを弱くしオランダを悲しみに突き落としドイツの経済を変調させたウクライナをめぐる地政学的リスクにピリオドが打たれるか?

アメリカ主要企業の決算は、27日はティファニー、28日はアバークロンビーアンドフィッチ、ダラー・ゼネラルが発表する予定。

ジャクソンホールの「避暑地の出来事」もマーケットに「夏の嵐」をもたらすほどではなく過ぎて、秋相場が本格的に始まる「9月になれば」どうなるかに思いをはせながら「さらば夏の日」と、過ぎゆく夏を惜しむ季節。季節の変わり目は相場の変わり目でもあるが、今週はとりたてて重要な経済指標やイベントがあるわけではない。それでも好材料、悪材料の候補はそれなりにあるので、書き出してみよう。

好材料候補は、25日が「ジャクソンホール待ちの通過」、26日が「住宅指標でアメリカが株高」「ファーストリテイリングの権利付き最終売買日」。27日が「住宅指標でアメリカが株高」「ミンスク会談で進展があり地政学的リスクが改善」、28日が「7月の販売統計が改善(自動車、建機)」「JPX日経400の新規採用銘柄が上昇(大引け前)」、29日が「GDP改定値改善でアメリカが株高」「労働力調査で雇用情勢が改善」「鉱工業生産指数が改善」「月末のドレッシング買い」。