未承認薬提供の用意ある エボラ出血熱で菅長官

2014年08月25日 23:56

 エボラ出血熱の対応について、菅義偉官房長官は25日、「WHOからの要請があれば企業と協力をして未承認薬を提供する用意がある」と語った。

 菅官房長官はさらに「WHOの結論が出る前であっても、緊急の場合には一定の条件の下で個別の要請に応じる用意もある」と述べ、エボラ出血熱感染者の治療と感染が広がらないように日本政府としてもできる限りの協力を行いたい意向を示した。

 菅官房長官は「WHOはいわゆる緊急事態宣言を出している」とし「国際社会としてしっかりと対応していくことが必要」とした。

 そのうえで「日本は国際協力の一環として総額約270万ドルの支援や人的貢献を行ってきたが、感染国では医療機材を含め様々な物資や人材がいまだ不足している。特にエボラ出血熱への効果のある可能性が指摘されている日本企業が開発した医薬品に対しては各国から照会があると企業側から報告を受けていて、未承認薬の使用についてWHOが検討を行っている」とし、こうしたWHOの取り組みにより積極的に協力していく考えを示したもの。

 また、外務省は25日、リベリア政府の要請を受け、JICAを通じて約3000万円相当のテントや毛布などの緊急支援物資を供与することを決めたと発表した。

 外務省によるとエボラ出血熱は今年3月にギニアで最初の症例が確認されてから国境を接するリベリアに拡大し、WHOによれば8月20日現在、リベリアでの感染者は疑いのある人も含め1082人が感染し、624人が亡くなっているという。

 また、ギニアでも607人が感染し、406人が死亡。シオラレオネでは910人が感染し、392人が死亡。ナイジェリアでも16人が感染し、5人が死亡している。(編集担当:森高龍二)