ここのところ日本企業の東南アジアへの進出が目立つ。製造業からはじまり、メディアなど様々な分野の企業が進出している。そして今回牛丼の吉野家がマレーシアに進出する。
吉野家ホールディングス<9861>は29日、マレーシアにおいてレストラン事業等を展開する企業グループであるTexchem(テクスケ)Resource(リソーセズBerhad)バーハッド(TRB)とマレーシアにおいて共同出資により合弁会社を設立すると発表した。この合弁会社をフランチャイジーとして、吉野家に属する事業会社がマレーシアにて「はなまる」および「吉野家」ブランドで展開する和食のファストフードレストラン事業を推進することで基本合意した。
またこの基本合意には、TRBの100%出資子会社でレストラン事業を運営するSushi(スシ)Kin(キン)Sdn. Bhd.(SK)への資本参加も含まれている。当社の持分比率は 30%を目途とし、SKがマレーシアにおいて展開するレストラン事業の経営ノウハウを吉野家と共有し、吉野家が保有する生産、流通、販売などのノウハウを SK に提供する。これにより、合弁会社を通じて、マレーシアにおける事業展開を推進する。今後両者で具体的な組織体制や合弁事業計画の詳細を協議に入るという。
TRB は 1973年設立のマレーシア法人であり、現在マレーシア証券取引所に上場しており、工業部門、ポリマーエンジニアリング部門、食品部門及びレストラン部門と幅広い事業を展開。中でもレストラン部門ではマレーシア随一の店舗数を誇る寿司レストランの Sushi King 事業を中心に業績を大きく伸ばしている。今後 吉野家は TRBとの合弁事業体制及びSKへの出資関係のもと、マレーシアでの事業展開を進めていく方針だ。
マレーシアは英語を話す人口が多く、東南アジアの中でも進出しやすいと言われている。ただし、東南アジアの中でも人件費が比較的高く、また、イスラム教の影響も強い。この文化・風土の違いにどう対処するかが成否のカギとなるだろう。(編集担当:慶尾六郎)