一般家庭になかなか太陽光発電が普及しないのは、初期費用が膨大なことは最大の要因ではあるが、モジュールが重いため、普通の住宅では設置しづらいという要因もある。
大型膜面構造物メーカーの太陽工業株式会社は3日、太陽電池モジュールの軽量化と施工性の向上を目指し、樹脂ハニカム構造体によるアルミ複合板を基材とした太陽電池モジュール「T-Light Solar」を製品化したと発表した。これにより、荷重条件の厳しい屋根への設置を可能にしたとしている。
「T-Light Solar」は、太陽工業と岐阜プラスチック工業株式会社が共同開発した太陽電池モジュール。ガラスと外周フレームで補強した従来型モジュールに替わり、超軽量・高剛性のアルミ複合板を基材として使用した。重量は従来の太陽電池モジュール(約12~15 kg/m2)と比較し、1平米当たり約7kgと、最大約53%(約41~53%)の軽量化を達成した。さらに、優れた剛性特性とモジュール取付位置が自由になることで「下地鉄骨材(架台など)の低減や軽量化」も可能にし、架台などを含めた設置総重量においても業界最軽量クラスのモジュールとなったという。これにより、スレート屋根の工場など厳しい荷重条件の建物への太陽光発電の導入を可能となった。
今回、太陽電池モジュールの基材には、超軽量・高剛性の樹脂ハニカム構造体「TECCELL(R) (テクセル)」に薄いアルミ板を貼り合せた複合板を採用し、外周フレームなどによるモジュールの補強を不要にした。さらに、基材であるアルミ複合板の表面に多結晶シリコン太陽電池のセル42枚と透明保護フィルムを貼り合わせてモジュール化した。これにより、1パネル当たりの外形寸法1300×1000mmに対して、約9.1kgの重量に抑制し、最大出力147Wを確保した。
同社は「T-Light Solar」の製品化に伴い、販売計画の立案と年内中の本格販売開始を目指すとともに、「T-Light Solar」用の「TECCELL」を製造する岐阜プラスチック工業株式会社と連携、国際物流総合展2014への出展(岐阜プラスチック工業のブースにて参考出展)を皮切りに新発想の太陽電池モジュールの認知度を高めていく予定だ。(編集担当:慶尾六郎)