【日経平均】売買が小型株、2部、新興市場に偏り74円安

2014年08月28日 20:13

 27日のNYダウは15ドル高で終値史上最高値17138ドルにあと16ドルに迫った。NASDAQは1.02ポイント下落。S&P500は史上最高値更新。パレスチナの長期停戦合意、1株当たり利益が市場予測を上回ったティファニーの決算などを好感し朝方は上昇。レイバー・デーの3連休を前に買いが続かずマイナスにもなったが、最終盤に持ち直しプラスで終了。ティファニーは1.0%上昇した。28日朝方の為替レートはドル円が103円台後半、ユーロ円が137円近辺で、ドル円は104円台に定着しそうで、なかなかそうならない。

 CME先物清算値は15480円。日経平均は52.55円安の15482.27円で15500円を割り込んで始まる。TOPIXもマイナスでスタート。午前9時台は為替のドル円も徐々に円高方向に振れ、日経平均も下げ幅を拡大していく展開だったが9時44分の15423円で底を打って反転し、前日時点で15392円の25日移動平均線でサポートされる格好。10時台前半には15470円付近まで戻し、上海は2日続伸、香港は3日ぶり反発で始まると日経平均は15450~15460円台であまり動かなくなる。前引けは15453円だった。

 後場も当初、前場と同じ水準で小動きするが、午後1時30分頃から少し水準を下げ15440~15450円台に。2時台は少し凹んでもすぐに元通りになり、終盤から大引け間際にかけてやや上昇して終値は74.96円安の15459.86円と反落した。日中値幅は64円と少ない。JPX日経400の定期入れ替え実施とともに大引け後にTOPIXのリバランスに伴う売買が入ると伝えられたが、影響は限定的で高値引けや安値引けの続出にはならず。TOPIXは-5.18の1280.74で1280台を維持。売買が小型株に偏ったので売買高は20億株でも売買代金は1兆6316億円止まり。

 値上がり銘柄は717、値下がり銘柄は957で全体の52%を占めた。上昇セクターは5業種、下落セクターは28業種。プラスは医薬品、空運、パルプ・紙、石油・石炭、その他金融。マイナスで下落幅小は化学工業、水産・農林など。下落幅大は鉄鋼、電気・ガス、ゴム製品、海運、食料品、不動産などだった。

 日経平均採用225種は値上がり51銘柄、値下がり167銘柄。プラス寄与度1位は日東電工<6988>で+5円、2位はダイキン工業<6367>で+3円。マイナス寄与度1位はファーストリテイリング<9983>で-15円、2位はファナック<6954>で-6円だった。

 メガバンクはみずほ<8411>こそ0.4円高だったが三菱UFJ<8306>は2円安で三井住友FG<8316>は4円安。三井住友トラストHD<8309>傘下の三井住友信託銀行と横浜銀行<8332>が資産運用や個人向けの投資商品販売で業務提携を検討することで合意と発表したが三井住友トラストHDは売買高16位でも8.3円安、横浜銀行は0.9円高。野村HD<8604>は4.2円安だった。

 トヨタ<7203>は序盤から低空飛行で44円安。ホンダ<7267>は7.5円安、富士重工<7270>は24円安だったが、マツダ<7261>は7月の国内生産が6%減でも海外生産69%増を好感されて19円高。株価絶好調のソニー<6758>だがJPX日経400構成銘柄はこの日限りで除外。売られてお別れかと思いきや、画像センサー技術を搭載する無人飛行機「ドローン」の実用化に乗り出すニュースが刺激になり9.5円高。関連で衛星画像解析サービスを手がけるイメージワン<2667>もストップ高の100円高と買われた。腐っても「世界のソニー」。通期業績でROEが改善すればJPX日経400にカムバックできるはず。ソニーと入れ替わりにJPX日経400に新規採用されるセイコーエプソン<6724>は80円高で高値引け。パナソニック<6752>は間接業務請負子会社売却のリストラ好感で4円高。OKI<6703>は売買高13位に入り4円高だった。

 日東電工はシティGがコーティングPVAフイルムのスマホ、タブレット端末向け需要が立ち上がるのを評価し目標株価を引き上げて137円高で年初来高値更新。一方、従来のPVAフィルムで高シェアのクラレ<3405>はそれに置き換えられる恐れありと目標株価を引き下げられ29円安。技術の進歩は経営環境の激変をもたらす。子会社アリババの4~6月期最終利益が前年同期比2.8倍に拡大したソフトバンク<9984>だが、11時以降はずっとマイナスで55円安だった。

 国土交通省が2015年度予算の公共事業費について今年度当初予算の16%増を概算要求と報じられると中堅建設株や建設周辺銘柄が反応。売買高ランキング1位は売買代金も4位の日本コンベヤ<6375>で、17円高で年初来高値を更新し値上がり率11位。それ以外はいつもの顔ぶれだが、値上がり率ランキングは見慣れぬ顔もちらほら。2位の建設技術研究所<9621>は東海東京が新規に「1」のレーティングをつけストップ高の300円高で年初来高値更新。土木設計技術者が不足をきたし建設コンサルタントは非常に多忙。高校や大学の土木科の定員減や廃止が相次ぎ人材供給が細ったのもたたっている。38円高で年初来高値を更新した3位の植木組<1867>の本社は新潟県柏崎市で、このところの安倍内閣の「地方重視」姿勢の反映か? 16位にはエレベーター、エスカレーターのフジテック<6406>が入っていた。