厚生労働省の発表によれば、2015年3月に就職を希望する高校生の求人倍率が、1.28倍と6年ぶりに1倍を超えたことがわかった。
12日、厚生労働省は来春卒業予定の高校生の求人・求職状況(7月末現在)を公表。それによれば、求人数は前年同期比38.4%アップ、そして求人倍率は前年同期よりも0.35ポイント増えて1.28倍であった。この時期に求人倍率が1倍を超えるのは6年ぶりのことで、景気回復に伴い、建設業を中心とした企業側に人手不足感が強まったことが影響しているとみられている。
来春に高校を卒業し、就職を希望する高校生の数は7月の時点で18万6462人であり、去年の同時期とほぼ横ばい。しかし企業からの求人は同時期38.4%アップの23万8462人であった。それにより、高校生1人あたりの求人数を表す求人倍率が6年ぶりに1倍を超えることとなった。全都道府県のうち、求人倍率が1倍を超えたのは29都府県であった。
また求人倍率を都道府県別に見てみると、東京の3.74倍が最も高く、その後に大阪の2.05倍、愛知の1.91倍が続いた。また11年3月に発生した東日本大震災の被災地である岩手、宮城、福島についても、それぞれ岩手が1倍、宮城が1.6倍、福島が1.25倍と1倍を超える結果となった。
こうして都市部では求人状況の改善が見受けられるものの、九州や沖縄などの地方の求人倍率は厳しい状況が続いている。沖縄の求人倍率は全国で最も低く、0.49倍、次いで次いで青森が0.61倍、鹿児島が0.63倍という結果であった。
そして求人数を業種別に見てみると、建設業が前年同期比50.6%アップの3万1783人、卸・小売業は前年同期比45.3%アップの2万7770人、製造業は前年同期比37.5%アップの7万5298人であった。
15年3月に卒業する高校生に対する企業の採用活動は、16日より解禁となる。なお15年3月卒業予定の中学生の求人倍率は前年同期よりも0.04ポイント増えて0.41倍であった。
就職難、就職氷河期などという言葉がいわれて久しいが、高校生の求人については現在、売り手市場となりつつあるようだ。(編集担当:滝川幸平)