ヤマハの新エンジン・テクノロジー「BLUE CORE」。小型エンジンを3系統に集約し2020年に500万台の二輪車に搭載

2014年09月18日 07:46

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ベトナムでこの8月に発売した女性向けスクーター「Nozza Grande(ノザ・グランデ)」に初搭載した125cc「BLUE CORE」エンジン

 ヤマハ発動機は先般の記者発表で、走りの楽しさと燃費・環境性能を高次元で両立した次世代小型エンジンの設計思想「BLUE CORE(ブルーコア)」に基づいて開発した新世代小型エンジンを搭載した新型車を国内で初披露発表した。

 同社は、このBLUE COREエンジンを今後のモデル開発におけるプラットフォームのコアとして位置づけ、今後、新興国を中心にさまざまなモデルに展開するという。

 BLUE COREエンジンは、高効率燃焼、高い冷却性、ロス低減の3点を徹底して追求し開発した次世代高性能小型エンジンだ。2014年8月にベトナムで発売した女性向けスクーター「Nozza Grande(ノザ・グランデ)」に初搭載した。その第一号エンジンは、125cc空冷単気筒4サイクルBLUE COREエンジンで、エンジン単体重量(吸排気系・キッククランク含む)は32.1kgと軽量に仕上げられている。

 小型スクーター用のエンジンとしては贅沢な「アルミ鍛造ピストン」を採用。空冷エンジンとしては11.0という高い圧縮比、最適な燃料噴射を実現するインジェクター、冷却性のいいアルミ製シリンダー、ピストンクーラーの改善や冷却ファンの小型高効率化、フリクション低減を図ったローラーロッカーアーム、そしてオフセットシリンダーの採用で高い冷却性を得つつ、フリクションロスを徹底して排除した。

 トランスミッションは高効率な駆動力伝達を誇るCVTを組み合わせ、最終減速比の適正化などと相まって2008年型の同社キャブ仕様同等モデル比で燃費が50%向上しているという。

 また、BLUE COREエンジンは、搭載するモデルのキャラクターに応じて、「走り」と「燃費・環境」を高次元でチューニングする事が可能で、多彩なバリエーション展開が行える発展性が特徴となっている。

 同社では、このBLUE COREエンジンを、新興国および先進国などグローバルに導入するさまざまなモデルに搭載する予定だとしている。BLUE CORE技術を活用して、より燃費性能などの環境性能を追求したエンジンや、高回転型のスポーツエンジンなど、3タイプのエンジンを設計・開発し、2020年には年間500万台の同社二輪車搭載を目指すとしている。(編集担当:吉田恒)