みんなの党離党勧告の応酬 渡辺前代表復帰は「権力闘争」か

2014年09月18日 16:19

 4月の不透明な借り入れ問題から表舞台に出ることを控えてきたみんなの党の渡辺喜美前代表が復帰早々トラブルを起こしている。8月10日の「復帰宣言」からちょうど1ヵ月たった今月10日、東京都内で渡辺氏は側近である山内康一国対委員長ら党所属国会議員と会食後、浅尾慶一郎代表が率いるみんなの党の現体制に不満を表明した。

 渡辺氏の体制批判は即座にみんなの党崩壊の危機へとつながった。12日には浅尾氏が渡辺氏の批判に対し「まず直接私に言うのが筋だ」と不快感を示すと翌13日には渡辺氏が浅尾氏に対し「野党再編に舵を切るなら、辞めていただきたい」と会合で発言、公然と辞任を迫った。直接対決となった16日夜の会談では「全方位外交」が持論で与野党の区別なく協力を模索する浅尾氏が「何が何でも与党に賛成するのは立党の原点と異なる」「出て行かれるなら仕方がない」と自民党との連立を主張する渡辺氏に離党を促すと、渡辺氏も「創業者だから出て行くことはない」「浅尾氏こそ党をつくったらどうか」と逆に離党を勧めるという、まさに泥沼の様相だ。

 混乱の中、みんなの党からの離党が続いている。党の最高顧問で両院議員総会長も務めていた江口克彦参議院議員が6月に離党届を提出したのに続き、今月11日には大熊利昭衆議院議員が離党届を提出した。同党からはすでに昨年12月に15名の議員が離党し「結いの党」を結党しており、所属議員数は20名へと最盛期と比べて半分近くとなってしまった。

 1年前、みんなの党の結党4年時の党の会報誌で渡辺氏は「着実に勢力を拡大してこられたのは、みんなの党が愚直に、地道に理念と政策を追求してきたことに、国民の皆様が共感していただいたからだと思います」と述べている。渡辺氏の言う「理念と政策」はどこに行ってしまったのだろうか。みんなの党の支持者はこの内紛にそのような思いを拭えないだろう。渡辺氏は浅尾氏を批判した13日の会合で、同時に改めて借り入れの正当性を訴えた。自らの禊も済んでいない渡辺氏が早くも浅尾氏を追い落とそうとしていることには違和感を持たざるを得ない。渡辺氏の復帰は日本のため、理念のためなのか、それとも権力闘争のためなのか。そこに疑念がある限り、みんなの党の衰退は続くだろう。(編集担当:久保田雄城)