最近の車に求められること。それはドライバーに理想的な走りを提供する機能性もそうだが、しかしそれと同じくらい、あるいはそれ以上に、「エコロジーな車であるかどうか?」が求められている。環境問題への意識の高まりから、環境へ配慮した車を選択するドライバー増えている。ただ快適に、そして速く走ることのできる車がもてはやされる時代は終わり、今はハイブリッドカーや電気自動車などのエコカーが大きな注目を集めている。
そうしたなか、16日、ダイハツ工業<7262>はマレーシアの合弁会社プロドゥアが新しい小型車「AXIA(アジア)」を発売したとの発表を行った。こちらの「AXIA」には、軽自動車の開発で培った低燃費技術や低価格技術が応用されており、価格は2万4600リンギット(約82万4000円)と、マレーシア国内で最安値となる価格帯を実現した。また排気量998ccエンジンが搭載されており、燃費性能も1リットルあたり21.6キロ。そしてこれはマレーシアで初めて省エネルギー自動車(EEV)政策に対応した初めての車種となる。
この「AXIA」はダイハツ工業とマレーシア政府が合弁で設立した合弁会社プロドゥアが、8月より稼働させた新工場で生産されている。そして「AXIA」の2万4600リンギットというマレーシアで最安値となる価格は、部品のうち95%を現地で調達すること、また工場のオートメーション化を実施するなど日本式の生産ノウハウを活用することで実現した。月間の販売目標台数は8000台としており、ダイハツ工業としては最量販車となる模様だ。
ダイハツ工業は2013年にも低価格小型車「アイラ」を発売しているが、「AXIA」はその「アイラ」を基にエンジンの改良。またデザインもマレーシア市場に受け入れられやすいものを採用した。
マレーシアにおいてダイハツ工業はシェア約3割を誇っており、同国内最大手の自動車メーカーだが、しかしそれでも競合他社との競争は激しく、今回の「AXIA」を発売させることでその競争に打ち勝ちたい考えだ。(編集担当:滝川幸平)