目先の利益で津波の可能性無視したことが事故に

2014年09月24日 08:42

 東京電力第一原発の4号機を見たいと視察していた菅直人元総理は、視察後の感想を自身のブログで語った。使用済み燃料プールになっていた4号機でもしもメルトダウンが起きていたら、東京までが避難エリアになり東日本壊滅状態に陥っていたという、さらに大惨事を生じたと予測されていたものだ。

 菅元総理は「4号機の使用済み燃料プールのプールゲートを注目した。現物を見るのは初めてだったが、横幅が1メートルほどで縦が7メートル程度の、思ったより小さいプールゲート。このゲートが原子炉側の水圧で隙間が空き、原子炉側の水がプールに流れ込んだことでプール内でのメルトダウンに陥らず、東日本は救われた」と振り返る。

 また、菅元総理は、汚染水対策の氷土壁をつくるためのパイプを見た感想を「1メートル間隔で地下30メートルまで差し込んだ土を凍らせるためのパイプ。 果たしてうまく行くのか」と不安視した。

 菅元総理は東電が「目先の利益を考えて津波の可能性を無視したことが事故につながった」と断言した。津波を受け、深刻な事故を招いた原因について「福島第一原発のサイトの地形は海面から10メートルの高さの土地と高さ35メートルの高さの土地と二段になっている。その低いところに設置された原発が津波で全電源を失い、大事故となった。もともと、全体が高さ35メートルであったところを、海水を汲み上げやすいように10メートルの高さにまで土を切り取ったところに原発を設置したからだ。地下水が大量に流れ出るのも土を切り取ったからだ」と東電の安全性より利益優先とも取れる姿勢を改めて指摘した。(編集担当:森高龍二)