運輸や通信、広告など企業間で取引されるサービスの価格水準を示すのが企業向けサービス価格指数だが、その8月の調査結果が日本銀行によって25日に公表された。それによれば、8月の企業向けサービス価格指数(2010年平均=100)の速報値は前年同月比3.5%アップの102.3という結果であった。これで14ヶ月連続のプラスとなった。
前月7月の企業向けサービス価格指数は前年同月比3.4%アップという結果であり、プラス幅は拡大。また価格が上昇した品目数は全147品目中87品目であり、現在の基準になってから過去最多となった。消費税の影響を除いたベースでは0.8%アップ。7月よりも0.1ポイントプラス幅が拡大した。景気回復傾向により企業の業績が回復するなか、サービス需要の増加や円安などのコスト増を受けて、サービス価格を引き上げる動きが続いている。
8月の企業向けサービス価格指数の内訳を見てみると、「観光需要」の伸びが大きく、国内向けの航空旅客輸送が消費税増税の影響を除いて前年同月比3.9%アップという結果であり、また海外向けも前年同月比1.7%アップという結果であった。8月は「観光需要」にとって繁忙期にあたるため、従来よりも価格が高めに設定される傾向にあった。また円安の影響により「外航貨物輸送」も前年同月比3.9%アップした。
そのほか、「不動産」が前年同月比3.3%アップ、寄与度も前月比0.02ポイントアップという結果であり、このうち事務所賃貸は前年同月比3.5%アップ、店舗賃貸などのその他不動産賃貸も前年同月比3.4%アップという結果であった。
しかしその一方で「広告」は前年同月比2.8%アップであったものの、寄与度については前月比0.09ポイントダウン。また「リース・レンタル」も前年同月比3.9%アップであったが、寄与度は前月比0.02ポイントダウンという結果であった。
また日本銀行は今回の発表に際して、13年以降の数値をさかのぼり、一部について訂正を行った。4月に改訂が行われた高速道路料金の割引制度の利用実績などを指数に反映させ、4~7月の指数が下方修正された。(編集担当:滝川幸平)