【日経平均】約2週間ぶりに16000円を割り込み420円安

2014年10月02日 20:17

 1日のNYダウは238ドルの大幅安3日続落であっけなく終値17000ドルを割り約1ヵ月半前の水準に逆戻り。NASDAQは71ポイント下落した。ドイツなどヨーロッパでもアメリカでも経済指標悪化のオンパレードで、特にISM製造業景況指数は56.5に低下して8月の59.0も市場予測の58.5も大きく下回り、景気先行き不透明感はより濃厚に。NYダウはコカ・コーラを除く29種が下落した。アメリカ国内でエボラ出血熱の患者が初めて確認され航空株やボーイングは大幅安。治療薬「TKMエボラ」を開発したカナダのテクミラは株価が18.2%も上昇した。2日朝方の為替レートはドル円が109円近辺、ユーロ円が137円台後半で、円高が進行していた。

 CME先物清算値は15870円。16000円の防衛線をめぐり、「GPIF、日銀砲、個人の押し目買い」の〃三銃士〃がレジスタンスの闘士となって外部環境の悪化とどう戦うか注目の日経平均は187.05円安の15895.20円と、16000円から約100円押し込まれて始まる。TOPIXも1300の防衛線を数分で崩される。前場の日経平均は下落を15800円近辺で食い止めるが、上は15900円にタッチするのが精いっぱい。TOPIXも1300にタッチするのが精いっぱい。上海、香港市場はこの日も国慶節休暇で休場。11時20分に15789円の安値をつけ、前引けは15815円だった。

 昼休みに為替のドル円は108円台半ばまで円高が進行するものの、後場は15792円で再開し午後1時台に一時15800円台にタッチしてこのまま底堅く推移するかと思いきや、2時台に入ると15700円も割り込み2時32分には15646円まで下落。下落幅が400円を超えて〃三銃士〃は討ち死に。そのまま15700円台を回復することなく終値は420.26円安の15661.99円と大幅3日続落。9月17日以来の15000円台で、約1ヵ月ぶりの安値水準に沈んだ。日中値幅は276円。TOPIXは-38.06の1280.15まで下落した。売買高は26万株、売買代金は2兆5939億円とふくらんだ。

 値上がり銘柄はたったの40。値下がり銘柄は1778で全体の97%を占める全面安。全セクターが1%を超えるマイナスで、下落幅が小さいのは鉱業、石油・石炭、小売、パルプ・紙、食料品、水産・農林など。大きいのは空運、不動産、ガラス・土石、輸送用機器、機械、保険などだった。

 日経平均採用225種は値上がり1銘柄、値下がり224銘柄。唯一のプラスはクレディセゾン<8253>で寄与度+0.43。マイナス寄与度1~4位はファナック<6954>、ソフトバンク<9984>、ファーストリテイリング<9983>、KDDI<9433>の順番に「日経平均寄与度四天王」が揃い踏みし、合計のマイナス寄与度は-76.28だった。

 みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行は前日、ミャンマー政府から銀行業の営業免許を受けた。みずほ<8411>は2.6円安、三菱UFJ<8306>は20.4円安、三井住友FG<8316>は125.5円安。野村HD<8604>は13.1円安。トルコで小型SUVを年10万台強生産するトヨタ<7203>は225円安。10月、11月に国内で生産調整に踏み切るホンダ<7267>は155.5円安。リコール問題を受けた品質確認徹底が主な理由だが、消費増税後の販売不振も影を落としている。今年度の国内約100万台の販売目標も未達になりそうだ。アメリカの9月の自動車販売が前年同月比19%増と堅調だった日産<7201>も24.5円安。EVユーザーは充電器使い放題という新プランも報じられていた。ソニー<6758>は64円安、日立<6501>は28.7円安、東芝<6502>は16.5円安、シャープ<6753>は9円安など、電機大手はいいところなし。

 三菱重工<7011>は「MRJ」の生産について、三重県の松阪工場に協力企業が参加する「共同工場」を設けて部品を量産すると報じられたが28.5円安。北越紀州製紙<3865>の4~9月中間期の経常利益は値上げ効果で43%増の35億円前後という業績観測。しかし45億円の会社予想は未達で6円安。製紙工場の抄紙網やコンベアを製造する日本フイルコン<5942>は海外売上が順調で11月期通期の営業利益見通しを8億円から10億円に上方修正して4円高だった。

 住友商事<8053>はインドのカーズオンレント社から5拠点、約2000台のカーリース事業を買収したと発表したが20円安。ネガティブサプライズで同業他社を売りの嵐に巻き込もうとも、そして船は行く。大塚商会<4768>は、1~9月期の営業利益が22%増の300億円程度で過去最高という業績観測記事が出たが90円安。4月の「XPサポート打ち切り効果」に加え景気回復で中小企業のシステム投資意欲が回復し、収益源の消耗品の販売も堅調だったという。三越伊勢丹は外商を除く既存店ベースの9月の売上速報を発表し、前年同月比2.3%増で3カ月連続プラス。秋物の婦人衣料と訪日外国人対象の免税売上が伸び、特に銀座三越は免税売上が7割増で店全体でも8.3%増だった。伊勢丹新宿本店はタンタンタンといかず0.1%減で、日本橋三越は1.6%減でライオンは寝ている。三越伊勢丹HD<3099>は17円安。そごう・西武、大丸・松坂屋の9月の売上はマイナスで、セブン&アイHD<3382>は83.5円安、Jフロントリテイリング<3086>は29円安だった。ABCマート<2670>は、3~8月中間期の営業利益が21%増の230億円前後で過去最高という業績観測記事が出たものの110円安だった。