【日経平均】日中142円上昇し権利落ちを144円安でしのぐ

2014年09月26日 20:11

 25日のNYダウは30種全て下落の264ドルの大幅安で一気に17000ドルの大台割れ。NASDAQ総合指数は88ポイント下落した。8月の耐久財受注は前月比18.2%減で市場予測より悪く、新規失業保険申請件数は前週から1.2万件増加。さらにダラス連銀のフィッシャー総裁が2015年春の利上げの可能性を指摘したり、イラクのアバディ首相が「イスラム国」がアメリカの大都市とパリの地下鉄でテロを計画中と言ったり、統合参謀本部議長のデンプシー大将が「イスラム国」に対し陸上部隊の投入が必要かもしれないと言ったりで、株価の足を引っ張る材料が次から次へと出現。アップルはiPhone用基本ソフト「iOS8」の更新版に不具合発生で配信を停止し3.9%下落で好事魔多し。テロの標的にもされる「ユダヤ新年」だが売買高は1.36%減で前年より小幅。アトランタ連銀のロックハート総裁が「最近のドル高は輸出を阻害する可能性がある」と発言し、26日朝方の為替レートはドル円が108円台後半、ユーロ円が138円台後半と少し円高に振れていた。

 CME先物清算値は16125円。取引時間前に消費者物価指数(CPI)が発表され、8月全国は3.1%増で15ヵ月連続プラスだが市場予測の3.2%増を下回った。9月東京都区部は2.6%増で市場予測と同じで17ヵ月連続プラス。なお、労働力調査、家計調査、鉱工業生産指数、毎月勤労統計調査、商業販売統計は30日に発表される。8月のセメント国内販売量が6.8%減で3ヵ月連続マイナスとか、塩崎厚生労働大臣がGPIF改革案の提出を急がない方針を口にするなど、国内でも株価の足を引っ張る材料が出ていた。

 3月期決算銘柄の中間期、9月期決算銘柄の配当権利落ち日。12日から12月限が先に配当落ちしていた先物にさや寄せし、日経平均は約91円と推測される配当落ち分込みの286.19円安の16087.95円で始まる。TOPIXは配当落ち分推測値9.5ポイントを含めて20ポイントを超える下落でスタート。しかし日経平均は「寄り安」で上昇し、9時19分に16207円まで高くなる。NY大幅安を受け、安倍内閣が気にする株価大幅下落を食い止めるために日銀のETF買い、人呼んで「日銀砲」の炸裂が噂されたが、そのミッションは「日経平均16000円台絶対死守」か? その後は10時台までおおむね16170~16190円のレンジで動く。上海市場も香港市場もマイナスで始まるが少し下げただけで回復。11時を回るとにわかに上昇して16200円を突破して11時14分に16221円まで上がり、前引けは16213円だった。

 昼休みに為替が円安に振れドル円が109円、ユーロ円が140円にタッチ。後場の日経平均は下落幅をさらに圧縮して再開し午後0時35分に16234円の高値を取る。後場はマイナス圏ながらおおむね16200円を割り込むことなく推移し、1時45分頃からいったん凹んだ後、2時台には徐々に上昇して2時45分に16251円の高値を取ったが、終盤は下押しされ終値は144.28円安の16229.86円で、日中値幅は164円。反落したが、最後にはドル円109円台に乗せていた為替に支えられてザラ場中に142円も上昇し、配当落ち分を差し引くと実質53円安程度でしのいだ。今週は1勝3敗、19日終値から91.31円下落して取引終了。TOPIXは-14.48の1331.95で1330台を確保。売買高は20億株、売買代金は2兆314億円で2兆円台が6日続いている。

 東証1部の値上がり銘柄数は374、値下がり銘柄数は1341で全体の73%を占めた。33業種別騰落率は値上がり1業種、値下がり32業種。プラスのセクターは不動産で、マイナスのセクターは下落幅が小さい順に電気機器、その他金融、小売、建設、繊維など。下落幅が大きい順に卸売、証券、鉱業、銀行、陸運、機械などだった。

 日経平均採用225種は値上がり25銘柄、値下がり196銘柄。プラス寄与度1位はファナック<6954>で+31円、2位はトレンドマイクロ<4704>で+3円。マイナス寄与度1位はファーストリテイリング<9983>で-8円、2位は信越化学<4063>で-7円。

 メガバンクはみずほ<8411>4.5円安、三菱UFJ<8306>14.6円安、三井住友FG<8316>82.5円安。野村HD<8604>は12.8円安で、極東証券<8706>が87円安で値下がり率8位になるなど証券セクターは業種別騰落率32位と低迷した。自動車大手のトヨタ<7203>は97円安、ホンダ<7267>は72円安、日産<7201>は13円安、マツダ<7261>は24円安。GMとピックアップトラックの共同開発で正式合意したいすゞ自動車<7202>も5.1円安。その中で富士重工<7270>は後場プラスになり年初来高値を更新して終値は値動きなしと健闘していた。電気機器セクターは業種別騰落率2位。ソニー<6758>は配当権利落ち日と言っても今期無配なので無関係で2円安と皮肉な健闘。パナソニック<6752>は8.5円安、日立<6501>は6.3円安、東芝<6502>は1.4円安だった。