GM、14年の累計リコール台数が3000万台を超える

2014年10月06日 08:32

 車体のデザイン性、快適な走り、そして環境への配慮など、現代の自動車に求められる要素は様々だが、忘れてはならないのが安全性である。これをおざなりにした自動車が優れた自動車となりうることはなく、ある意味、自動車の根幹をなす最も重要な要素であるといえるだろう。

 そうした自動車にとって欠くことのできない安全性だが、それに欠陥や不具合が見つかった時に行われるのがリコール(回収・無償修理)である。そしてアメリカ自動車最大手のゼネラル・モーターズ(GM)は4日、2014年に公表した全世界におけるリコールの累計台数が3000万4036台となったことを公表した。

 ゼネラル・モーターズが13年に販売した台数は約971万台であり、今回公表されたリコール台数はこの3倍以上にあたり、年間最多台数となった。ゼネラル・モーターズは部品の欠陥などにより乗用車5車種、合計約6万台のリコールを新たなに発表したことにより、14年のリコール累計台数が3000万台を突破することとなった。

 4日にリコールが発表された車種は「ポンティアックG8」の08年モデル、09年モデルなど2車種で、運転中に膝が接触することで点火スイッチのキーが動き、パワーステアリングが正常に作動しなくなるなどの恐れがあるという。この不具合に関しては1件の関連事故が報告されているが、怪我人などは出ていないという。

 そのほか、ゼネラル・モーターズはエアバッグに不具合が生じる恐れがあるとして、15年モデルの新しい中型ピックアップトラック「シボレーコロラド」と「GMCキャニオン」に販売中止をディーラーに指示したとの発表も行った。
 
 どれほど自動車製造の技術が進化しようとも、やはりそれはあくまで「人の作るもの」であることに変わりはない。であれば、当然こうした欠陥や不具合が生じてしまうのはある面で致し方ないと言えなくもない。だが、そうした欠陥・不具合は即座にドライバーや乗る人間の命をおびやかす結果につながりかねない。そうした結果を招かないためにも、ゼネラル・モーターズにかかわらず、すべての自動車メーカーにはより確実な安全性を確立する責務がある。(編集担当:滝川幸平)