対米支援で自衛隊イスラムへ可能性「ない」防相

2014年10月09日 08:32

 日米防衛協力のための指針見直しに関する中間報告が8日、公表された。見直し後の指針とその下で行われる取り組みの基本的前提と考え方では「日米安保条約およびその関連取極に基づく権利、義務および日米同盟関係の基本的枠組みは変更されない」とし「日米両国すべての行為は、各々の憲法およびその時々において適用のある国内法令および国家安全保障政策の基本的な方針に従って行われる」とした。

 また、「日本の行為は専守防衛、非核3原則などの基本的な方針に従って行われる」としている。また、「指針およびその下で行われる取り組みは、いずれの政府にも立法上、予算上、または行政上の措置を取ることを義務付けるものではなく、指針はいずれの政府にも法的権利または義務を生じさせるものではない」としている。

 そのうえで「日米両政府が、各々の判断に従い、各々具体的な政策や措置に適切な形で反映することが期待される」とした。

 そして、情報収集、警戒監視、偵察、訓練・演習、施設・区域の使用、後方支援、防空・ミサイル防衛、非戦闘員の退避活動、海洋安全保障などを列挙。日米共同して取り組むことなどをあげているが、これに限定せず「安全保障および防衛協力を強化、発展させ続ける」としている。

 江渡聡徳防衛大臣は「今般の中間報告では、これまでの作業を要約し公表するもの。見直し作業の透明性の確保、国内外の理解の促進という観点からも重要な意味を有すると考えている」とした。

 また「同盟内の調整の枠組みの改善、日本の平和と安全の切れ目のない確保、平和で安定した国際安保環境のための協力、宇宙及びサイバー空間における協力がポイント」と語った。

 江渡防衛大臣は記者団からグローバルな対応に関連して、アメリカが空爆などで対応してイスラム国対応への対米支援において、イスラム国のようなところにも自衛隊は要請があれば行く可能性はあるのかを聞かれ、「総理も何度も答えているが、そういうことはない。あくまでも自衛隊をどういう形で派遣するかということにおいても、これからできる法律の枠において、きちんと決まるという形になろう。決めるのは日本国が決める」と答えた。(編集担当:森高龍二)