「割れスマ族」増加? 落下によるひび割れでも「2年縛り」で交換できず

2014年10月12日 14:44

画像・「割れスマ族」増加? 落下によるひび割れでも「2年縛り」で交換できず

落下事故などにより損傷したスマホを使用し続ける「割れスマ族」。スマホの端末代金を値引きする代わりに「2年縛り」を求める契約により、仕方なく割れたスマホを使い続けるケースが目立っている。

 生活意識や実態調査を行うトレンド総研は、「過去にスマートフォンの画面が割れた経験がある」20~49歳の男女500人を対象に、「スマートフォン端末の使用実態」調査を実施した。期間は今年9月5日~9日で、インターネットを使用して行われた。同社はスマホのディスプレイが割れても使用し続ける「割れスマ族」の存在に着目し、端末を交換したくても交換することができないスマホユーザーの実態を明らかにした。

 現在使用中のスマホ端末の状態を問うと、「バッテリーの持ちが悪い」と回答した人が最も多く、38%を占めた。他には「本体に細かい傷がついている」30%、「ディスプレイに細かい傷がついている」17%、「ディスプレイにひびが入っている」14%、「タッチパネル(ディスプレイ)の反応が悪い」14%、「本体に目立つ汚れがついている」11%、「物理ボタンの反応が悪い」8%、「本体に大きな傷がついている(もしくは、割れている)」8%、「ディスプレイが割れている」2%という結果となった。特に目立つのはディスプレイや本体の「ひび」や「割れ」だ。スマホはディスプレイが大きい分、落下などによる破損が起こりやすい。

 破損したスマホを使用し続ける「割れスマ族」が多く見かけられる理由のひとつとして、スマホの契約条件が挙げられている。スマホの端末代金を値引きする代わりに2年程度の契約を求め、契約期間中の解約には高額な違約金が発生する仕組み「2年縛り」を実施している携帯会社は多い。さらに2年が経過した後も契約したその月以外の契約解除には手数料がかかる。携帯会社によるユーザー囲い込み競争の加熱により、利用者にとっては不利な内容となる契約条件が一般化するようになっている。

 2年縛りのために端末を交換することもできず、また修理をしようにも保証プランには制約条件があり費用がかさむこともあるため、仕方なく割れスマホを使用しているケースが目立っている。総務省は2年縛りについて規制を設け、契約月以外でも無料で解約することができるよう、年末までに議論を重ねていく方針だ。(編集担当:久保田雄城)