「餃子の王将」、餃子の食材をすべて国産化

2014年10月12日 11:49

 その値段の安さとボリュームにより、サラリーマンや学生の強い味方である「餃子の王将」だが、同店を運営する王将フードサービス<9936>は、8日から「餃子の王将」の看板メニューである餃子に使われる小麦粉を、100%国産に切り替えたとの発表を行った。これは、7月に起きた中国の使用期限切れ肉の問題により、消費者の間で食の安全に対する関心が高まっていることを受けての対応とみられる。

 「餃子の王将」では、年に7000ドン以上の小麦粉が使用されており、これまではアメリカ産やカナダ産のものが使用されていた。餃子の皮にも同産地の小麦粉が使用されていて、餃子のあんに含まれるショウガもインドネシア産が使用されていた。しかし今回の発表によれば、小麦は主に北海道から、ショウガは高知や熊本などから調達するとしており、こうして小麦粉、ショウガを国産に切り替えたことで、年間約2億円のコスト増加となるという。また「餃子の王将」では10月1日よりメニューの大半を5~10%値上げ。これは実に23年ぶりとなる値上げであったが、今回の小麦粉などの材料国産化切り替えとは関係がないとのこと。

 ただし、これまでも「餃子の王将」の餃子で使用されている食材のほとんどは、国産のものが使用されてきていたが、しかし皮の主成分である小麦粉とあんに含まれるショウガについては、国内での調達が難しいため外国産のものが使用されていた。しかし今回の国産切り替えにより、一部の調味料を除き、すべてが国産になった。

 お店を利用する者にとって、「おいしさ」と「安全」は同義語であったほしい。いくら味がおいしくても、その安全性が確かでないのであれば、それは正しい意味での「おいしい」食べ物とは言えない。

 中国の賞味期限切れ肉の使用問題により、改めて「食の安全」にスポットが当てられる結果となったが、この風潮を風化させることなく、食品業界、飲食店業界などは、引き続き「食の安全」の確保に努めてほしいと願うばかりである。(編集担当:滝川幸平)