セブン&アイ・ホールディングス<3382>は2014年の中間連結決算を発表。中間決算としては2期連続で営業利益と最終利益が、過去最高を記録することがわかった。コンビニエンスストアのセブンイレブンの好調が全体の売上増を牽引した。
日本フランチャイズチェーン協会が発表した8月の全国コンビニエンスストア売上高は、前年同月比2.4%のマイナスだった。既存店売り上げが、前年実績を下回るのは5カ月連続。スーパーや百貨店などの売り上げも振るわず、消費増税後の消費の冷え込みが続いている。そんな中、同社コンビニ事業の8月度の売上状況は、全店売上高で前年同月比4.7%の増加となった。
日本でセブンイレブンの第1号店が誕生したのは1974年東京都の豊洲である。78年には社名をセブン-イレブン・ジャパンに変更し、翌年にコンビニ業界で初めて売り上げが1位となった。91年には、ライセンス元のアメリカのセブンイレブンが経営悪化に陥り、買収を実施。2007年にはマクドナルドを抜いて、チェーンストアで世界最大の店舗数を持つ店となった。現在、セブン&アイ・ホールディングスはコンビニエンスストアやスーパーストアなどの小売だけにとどまらず、金融サービス事業やITサービス業等も行っている。
小売業界で当たり前のように導入されているPOS情報システム。同社は、それを世界で初めてマーチャンダイズ・マーケティングに活用するなど、成長の裏には独自の企業努力の形跡がある。最近では、プライベートブランドの拡充やコンビニコーヒーなどを、他社に先駆けて行い、売り上げを更に伸ばしていた。
一方、セブン&アイ・ホールディングスと同じ小売業界の雄、イオンは14年3~8月期の連結決算で、純利益が前年同期比91%減となると発表した。消費増税後の販売の回復遅れが響き、既存店売り上げが苦戦。セブン&アイ・ホールディングスの一人勝ちの様子が改めて浮き彫りとなっている。
15年10月に、さらなる増税の可能性が控える日本経済。消費の冷え込みを表す経済指標も数多く発表されている中、セブン&アイ・ホールディングスの快進撃がどこまで続くか注目である。(編集担当:久保田雄城)