スマートフォン(多機能携帯電話)ゲームに押されて、市場そのものが低迷しつつあるゲーム機。そのなかでも、かつての勢いを失い業績の落ち込みが目立つ任天堂<7974>だが、再浮上のきっかけとするべく、同社は11日に携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」の新しい製品、「New(ニュー)ニンテンドー3DS」を国内で先行発売した。
この「Newニンテンドー3DS」は従来の「ニンテンドー3DS」よりも操作ボタン数を増やし、また3DS映像が鮮明に見えるようにするなどの改良がなされている。これから始まる年末商戦を控えて、「ニンテンドー3DS」の新製品を投入することで、任天堂は巻き返しをはかりたい考えだ。
「Newニンテンドー3DS」には従来の製品と同じように2タイプあり、標準タイプと「LL」だ。「LL」は標準タイプよりも画面が大きい。それぞれの希望小売価格は標準タイプが税別1万6000円で、「LL」が税別1万8800円となっている。
また同日には、人気タイトルであるカプコン<9697>の「モンスターハンター」の新作、「モンスターハンター4G」が発売。この「4G」は「ニンテンドー3DS」向けに発売されたものだ。この「モンスターハンター」は、大自然の中で様々な武器を使用し、巨大なモンスターを狩るというゲームで、第1作は2004年に発売。以来、ゲームユーザーの間で高い人気を誇り、シリーズは累計で2800万本(6月末時点)を売り上げている。
今回、「Newニンテンドー3DS」と「モンスターハンター4G」は同時に発売。もちろん、相乗効果を狙ったもので、大都市の大型電気量販店などでは、「モンハンを3D映像で楽しみたい」というユーザーが行列をなし、「Newニンテンドー3DS」と「モンスターハンター4G」を買い求めた。
この先、「Newニンテンドー3DS」がどの程度の売れ行きを見せるかはまだまだ未知数だが、しかし今の任天堂にとって「ニンテンドー3DS」は生命線のような存在。この新製品が不振に終わると厳しい状況に追い込まれることは間違いないだろう。
今回の「モンハン」との同時発売の反響からも伺える通り、本体の性能性もさることながら、今後どのようなソフトを発売することができるかどうかが、「Newニンテンドー3DS」の命運を握っている。(編集担当:滝川幸平)