【日経平均】200日移動平均線の壁を破り391円高大幅反発

2014年10月22日 20:14

 大林組<1802>は4~9月中間期の営業利益見通しを120億円から168億円に上方修正。純利益見通しは2.2倍の141億円で42円高。工事採算が改善している。子会社の大林道路<1896>は通期の経常利益を51.7億円から65億円に上方修正し65円高で年初来高値を更新し値上がり率3位。東洋建設<1890>が41円高で値上がり率9位に入り、建設セクターは業種別騰落率2位だった。

 三井金属は7円安で逆行安。観測報道は4~9月中間期の経常利益は従来予想を10億円上回る115億円程度だったが前年同期比9%減で市場予測の122億円も下回った。住友化学<4005>は4~9月中間期の経常利益を450億円から520億円に上方修正し売買高10位に入り13円高。三菱ケミカルHD<4188>は後場4~9月中間期の営業利益、最終利益見通しを上方修正し18.2円高。紙おむつ用吸水ポリマーの日本触媒<4114>は4~9月中間期の経常利益が2.2倍の115億円という業績観測記事が出て68円高。日本ペイントHD<4612>は60円安で値下がり率13位だった。

 富士フイルムHD<4901>に業績観測記事が出た。4~9月中間期の営業利益は約2割増の700億円前後の模様で売買代金3位に入り140.5円高で3日続伸。インスタントカメラ「チェキ」が海外市場で好調で、これはポラロイドカメラのように撮ったその場で写真にメッセージを書いて相手に渡せるので、パーティーのような「一期一会」の場でウケている。恐ろしい伝染病の薬だけが富士フイルムの製品ではない。

 江守GHD<9963>は一時ストップ安の248円安で大幅続落し連日の年初来安値更新で値下がり率1位。高島屋<8233>はタイ進出を発表して18円高。現地企業と組んで2017年に首都バンコクに開業予定の大型複合商業施設「アイコンサイアム」に「サイアム高島屋」(仮称)を出店する。JIN<3046>は、店舗で働く正社員の年収を平均10%引き上げる待遇改善を打ち出したが68円安で年初来安値を更新し値下がり率12位。マーケットではベアのような人件費のコスト増は悪材料視されるが、「株式市場は働く者の敵」と思われては良心がうずく。

 100円ショップのキャンドゥ<2698>は11月期末に記念配当2.5円を実施し、普通配当7.5円と合わせて期末配当を10円にすると発表。しかし終値は63円安で値下がり率8位。〃悪材料〃は店舗で使える株主優待券(100円+消費税分)を年2回、100株以上で20枚、300株以上で40枚、1000株以上で100枚配布していたのを、年1回のみ一律20枚に〃大改悪〃したことで、優待券が年間9割減の株主も出る。株主優待の恨みは怖い。

 業種別騰落率トップは海運セクター。不振続きだったバルチック海運指数が21日に12%も大幅反発し、商船三井<9104>は売買高7位で17円高、川崎汽船<9107>は同8位で11円高、日本郵船<9101>は同9位で11円高と商いを伴って上昇。第一中央汽船<9132>も2円高と買われていた。

 ネット・コンテンツ関連では、アメリカのヤフーの7~9月期決算が市場予測を上回って時間外取引で株価が上昇したものの、日本のヤフーは4円安と逆行安。新興市場は日経ジャスダック平均が1.61%、東証マザーズ指数が2.36%それぞれ上昇していた。

 新規IPOは2件。ネットの法人利用をサポートするプロダクトの開発を手がけるオプティム<3694>が東証マザーズに新規上場した。本社所在地は東京だが本拠は佐賀県。この日は初値がつかず公開価格4000円の2.3倍の9200円の買い気配で終えた。ポイントサイトの「モッピー」「モバトク」や「モッピージョブ」などスマホコンテンツの企画や運営を行うセレス<3696>が東証マザーズに新規上場した。10時49分に公開価格1860円より55.3%高い2890円の初値がついた。終値は2706円。前日マザーズに新規上場したGMOリサーチ<3695>は9時の取引開始と同時に公開価格2100円の2.33倍の4900円の初値がつき、終値は4300円だった。

 この日の主役は「ドラッグストア」業界。イオン<8267>が2015年にグループ内のウエルシアHD<3141>、CFSコーポレーション<8229>、タキヤ、シミズ薬品の4社を経営統合させると発表した。年内にイオンがウエルシアHDにTOBをかけて発行済株式数の50%以上を保有し、その傘下に他の3社をぶら下げるという統合スキーム。4社の売上高を単純合計するとマツモトキヨシHD<3088>を抜いてドラッグストア業界首位に浮上し、収益性など財務内容も強化されて薬剤師の採用でも優位に立てるという。

 イオンは6.5円高、上場維持の見込みのウエルシアHDは155円高で年初来高値更新、上場廃止の見込みのCFSコーポレーションは68円高で値上がり率2位。業界再編の話が一気に浮上し、マツモトキヨシHDは132円高、サンドラッグ<9989>は160円高、スギHD<7649>は90円高、ツルハHD<3391>は160円高、ココカラファイン<3098>は129円高、コスモス薬品<3349>は720円高で年初来高値更新、クリエイトSDHD<3148>は35円高など、業界上位の銘柄は揃って買いを集めた。再編含みの業界は「次はあそことあそこか?」などと噂が噂を呼んでいるうちは物色されやすく、まさに「噂で買って、事実で売る」を地でいく状況になる。(編集担当:寺尾淳)