「エボラ出血熱、NYで陽性反応」のニュースで関連銘柄の株価再点火。富士フイルムHD<4901>は売買高13位、売買代金2位に入り86.5円高、日本エアーテック<6291>はストップ高の150円高で値上がり率1位、アゼアス<3161>もストップ高の150円高、ダルトン<7432>は一時ストップ高の67円高。マスクの興研<7963>は290円高、重松製作所<7980>は82円高、帝国繊維<3302>は114円高で年初来高値更新、小津産業<7487>は92円高で値上がり率7位。4~9月中間期決算が増収増益だった栄研化学<4549>は74円高、医学生物研究所<4557>は19円高。ゴム手袋の不二ラテックス<5199>は一時ストップ高の49円高、オカモト<5122>は7円高だった。
国税庁が「第三のビール」の税率を上げ、ビールや発泡酒の税率を下げてビール系飲料の酒税格差を縮小させる検討に入ったという記事が出た。ビール系飲料フルラインナップのビール大手はサッポロHD<2501>は9円高、アサヒGHD<2502>は77円高、キリンHD<2503>は4.5円高。利益率の高いビール、発泡酒の減税はむしろ歓迎か?
AOKIHD<8214>は4~9月中間期の営業利益2割減という業績観測が出て15円安。B-Rサーティワンアイスクリーム<2268>は消費増税の影響に加えて書き入れ時の夏場に西日本中心に天候が不順だったため12月期通期の業績見通しを下方修正して値動きなし。夏が夏らしくないとこうなる。オリエンタルランド<4661>は3月期通期の営業利益見通しを831.7億円から1017.1億円に上方修正。純利益も673億円に上方修正して開業30周年の前年同期からの減益幅を縮小した。通期業績見通しも上方修正。同時に中間期と期末の配当予想を60円から70円に増額し年間140円とした。中間期の営業利益見通しは市場予測に届かなかったが320円高。
ヤマトHD<9064>は4~9月中間期の営業利益が15%減の業績観測が出たが20円高。海運セクターは利益確定売りが入り業種別騰落率最下位。日本郵船<9101>は1円安、商船三井<9104>は4円安、川崎汽船<9107>は値動きなし。「エボラ出血熱感染拡大防止で渡航制限か?」という連想で空運セクターはマイナスになり業種別騰落率32位。JAL<9201>は16円安、ANAHD<9202>は売買高6位に入り0.7円安だった。
求人広告の代理店でリクルートHD<6098>の関連銘柄でもあるクイック<4318>は、4~9月中間期の営業利益見通しを2.71億円、通期では2.27億円上方修正。期末配当予想を5円から8円に引き上げ、年間配当予想を記念配5円を含む20円とし57円高で値上がり率4位。リクルートHDは30円安だった。
新興市場は、日経ジャスダック平均は0.23%上昇したが東証マザーズ指数は0.52%下落。タカラバイオ<4974>は4~9月中間期の営業利益見通しを4.57億円から6.25億円に上方修正。研究開発費など販管費が減少し減収増益でも44円高。22日新規上場のオプティム<3694>は独自のスマホのセキュリティ技術がアメリカで特許を取得と発表しストップ高の4000円高で上場3日目にして終値が公開価格の5倍の2万円を突破。今週のIPOの3銘柄で最も地味に見えたが、セカンダリーのパフォーマンスは最高だった。
この日の主役は日立<6501>。前日、4~9月中間期業績の上方修正を発表し、売上高は4.45兆円から4.49兆円(前年同期比0.4%増)に、営業利益は1850億円から2140億円(23.4%増)に、純利益は1050億円から1440億円(2.1倍)に上方修正した。上方修正は今期2回目。営業利益の市場予測は2000億円程度なのでポジティブサプライズで、売買高5位、売買代金7位に入り一時は5.7%、44.2円高まで上昇して珍しく値上がり率ランキング10位以内に入っていた。終値は27.5円高。通期予想は据え置いたが、中間期の決算発表時に上方修正される見方が有力。関連会社の日立国際電気<6756>は97円高で値上がり率3位。日立ハイテクノロジーズ<8036>は4~9月中間期の最終利益が151億円で過去最高益をマークし95円高だった。
日立はリーマンショック直後の2009年3月期で約7900億円の連結最終大赤字を計上し、その回復途上でインフラ関連事業を情報通信とともに復活の二本柱に据え、血のにじむような事業再編を進めてきた。ようやく半導体製造装置や中国のエレベーター事業など国内でも海外でも花が咲きはじめ、この木なんの木「金のなる木」になってきたところ。(編集担当:寺尾淳)