【今週の展望】ハロウィン直前10月の魔物は最後の大暴れ?

2014年10月26日 20:12

 確認しておくと、24日終値の15291.64円は15082円の200日移動平均線、15108円の5日移動平均線よりも上にあり、15510円の75日移動平均線、15607円の25日移動平均線よりも下にある。日足一目均衡表の「雲」は15369~15679円で、17日のザラ場中も一度タッチしていたが、雲の下限まで78円ですぐに手が届く距離にある。

 ボリンジャーバンドは、25日移動平均線-1σの15053円と+1σの16160円の間のニュートラル・ゾーンに入り、-2σ(第2標準偏差)よりも下だった17日から大きく改善した。もっと劇的に改善したのがストキャスティクスの9日Fastで、17日は5.96、24日は71.10だった。25日移動平均線乖離率も-5%以下の「売られすぎゾーン」にあった17日の-7.8%から、24日は-2.02%まで改善している。25日騰落レシオは17日の69.42から24日は77.73まで上昇した。前々週末の17日、ハロウィンのコスプレ顔負けの奇っ怪な風体の深海魚たちにご挨拶していた潜水艇は、1週間で海面近くまで浮上している。あとは飛行機に乗り換えて、一目均衡表の雲の上の広い青空に出ることを目指す。

 では今週、上値はどこまで追えるだろうか? 「半値戻しは全値戻し」という陽気な言葉が好きなマーケットで意識されそうな数値は、4週連続下落前の9月19日の終値16321円への「半値戻しライン」の15426円。そこまではあと135円なので、一目均衡表の雲ではね返されずに雲の中に突っ込めば、すぐクリアできそうだ。しかし、飛行機と同じで雲の中ではただでさえ抵抗を受ける上に、15510円の75日移動平均線と15607円の25日移動平均線というレジスタンスラインの闘士約2名が待ち構えている。雲の上に出るのは容易ではなさそうだ。

 一方、売りのきっかけをしつこく探している先物売り勢力に襲われて下値をたたくとしたら、どこまで下落するだろうか? それは前週、22日までは上値抵抗線として上昇をはね返したが、「五条大橋以降の弁慶」のように23日は一転、下値支持線として日経平均のサポート役に転じた200日移動平均線(15082円)が参考になりそうだ。ボリンジャーバンドの25日線-1σ(15053円)もその下にあり、リスクオフで為替のドル円が105円を割るなど、よほどのことがなければ15000円割れはないだろう。

 ということで、今週の日経平均終値の変動レンジは200日移動平均線と25日移動平均線の間、15100~15600円とみる。主要企業の決算発表シーズンだが業績はおおむね悪くなく株価指数上昇のエンジンになってくれそうだが、反動減からなかなか立ち直れない国内景気に消費増税をめぐる政界の動き、デフレの声も聞こえるヨーロッパ、さらにイスラム過激派のテロにエボラ出血熱などで、気が滅入りそうな出来事があるかもしれない。しかし季節の変わり目でもありアンニュイな気分を抱えたままでは身体に悪い。そんな時こそ「半値戻しは全値戻し」とか「happy-go-lucky(成り行きまかせさ)」とかポジティブシンキング。「陽気でいることが肉体と精神の最上の健康法である」(ジョルジュ・サンド)(編集担当:寺尾淳)