【日経平均】黒田総裁はいつも通りでは許されず?58円安

2014年10月28日 20:16

 エボラ出血熱については深夜、「リベリアからロンドンを経由して全日空機で羽田空港に到着した乗客が発熱。隔離してこれから検査する」という速報が日本列島を震撼させたが、検査結果は陰性。もはや「対岸の火事」では済まされない。富士フイルムHD<4901>は19.5円高で3日続伸。日本エアーテック<6291>は112円高で4日続伸し値上がり率2位。武田薬品<4502>は、アメリカでの糖尿病治療薬「アクトス」をめぐる民事訴訟で損害賠償額が約40億円に大幅減額される好材料が出て50円高。薬事訴訟は専門性が高くて陪審員も説明する被告側も大変だろう。キッコーマン<2801>は野村證券が目標株価を引き上げて55円高だった。

 文化庁は前日、審査したユネスコ補助機関が「日本の手すき和紙技術」の登録を勧告したと発表。11月24日からパリのユネスコ本部で開かれる政府間委員会で無形文化遺産として正式決定されるのが確実な見通しになった。江戸時代の和紙商がルーツで現在も関連会社の小津商店が和紙を販売する小津産業<7487>は16円高。ウイルス対策のナノファイバー使用マスクを出していてエボラ出血熱関連銘柄でもある。美術家やデザイナーの間で有名な竹尾は独立系・非上場。日本紙パルプ商事<8032>は登録対象の本美濃紙で作られた商品を扱っているが2円安だった。

 この秋は早く涼しくなり百貨店は秋冬物販売が好調で、衣料品の売上が前年比10%以上の店もあると伝えられた。三越伊勢丹HD<3099>は3円高、高島屋<8233>は2円高。セブン&アイHD<3382>は39円高。中堅コンビニのスリーエフ<7544>はスリーエフ中四国とのエリアフランチャイズ契約を2015年2月末で終了すると発表したが2円高。高知県の66店舗が順次「ローソン」の店に転換する。店舗数が増えるローソン<2651>は10円高。ヤマダ電機<9831>は通期の業績予想を5%減の177億円に下方修正したが2円高。前日発表の9月の外食売上高は2%減で4ヵ月連続マイナスでも、イタリアンのファミレス、サイゼリヤ<7581>は三菱UFJ証券が目標株価を引き上げて18円高で年初来高値を更新していた。

 海運の日本郵船<9101>は4~9月中間期の経常利益が33%増の340億円で従来予測の300億円を上回りそうだという業績観測が出たが値動きなし。空運のANAHD<9202>は4~9月中間期の営業利益が3割増益という業績観測が出たが0.1円高。不動産セクターで大幅に上げたのが三菱地所<8802>の27円高で、三井不動産<8801>は12円高、住友不動産<8830>は27円安だった。

 ネット・コンテンツ関連ではKlab<3656>が87円高で値上がり率12位。新興市場は日経ジャスダック平均が0.32%上昇、東証マザーズ指数が1.38%上昇と堅調。ミクシィ<2121>は410円高と好調で、オプティム<3694>は終盤急騰しストップ高の5000円高。FFRI<3692>も終盤上昇して一時ストップ高の1370円高だった。

 この日の主役は前日のファナック<6954>に続く「業績見通しを上方修正しながら下落した銘柄」。キヤノン<7751>は前日に1~9月期決算を発表。ヨーロッパ、新興国でのデジカメ販売不振で売上高は1%減少したが、円安に助けられ営業利益は8.7%増、純利益は11.8%増。12月期通期はカメラの販売台数見通しも売上高も下方修正したが、営業利益を8%増の3650億円から10%増の3700億円に、純利益を4%増の2400億円から8%増の2500億円に上方修正。しかし売買代金6位に入りながら株価は80.5円安。IHI<7013>は4~9月中間期の売上高を6700億円から6161億円に下方修正したが、純利益見通しは円安による為替差益が生じて10%増の140億円から64%増の209億円に上方修正した。しかし株価は32円安で値下がり率10位、売買高8位。

 ペガサスミシン製造<6262>は海外販売の堅調と円安メリットで通期の営業利益見通しを15億円から17億円に上方修正。創業100周年記念配当の実施も決定し期末配当予想を4円から6円に増額したが株価は87円安で値下がり率2位。タカラレーベン<8897>は前日に4~9月中間期決算を発表し、経常利益は52.8%増の2.4億円。その通期見通しを95億円から97億円に上方修正し2期連続過去最高益の増益率が5.7%増まで拡大した。しかし株価は3円安。下落の理由としては業界を取り巻く環境の悪化、売上高の下方修正、市場予測に届かないこと、為替差益は評価されにくいなどが考えられるが、「材料出尽くし」という曖昧模糊とした理由も、11月中旬に中間期決算シーズンが終わるまでこの先、何度も聞かれそうだ。(編集担当:寺尾淳)