日本国内の新車販売が落ち込んでいる。4月から実施された消費増税の影響がボディブローのように効いている。3月まで好調に売り上げを伸ばしてきた欧州製の輸入車も例外ではなく、3月までの駆け込み需要の蓄えを、完全に吐き出し、2014年1月からの累計で前年実績を割り込みそうな状態だ。
そのようななかで、輸入車各社は特別限定車やマイナーチェンジ、新型車の投入などで、販売の落ち込みをカバーしようと必死だ。
日本国内で輸入車販売トップのフォルクスワーゲン(VW)ジャパンも事情は同じで、2014年4月からの上半期販売実績は2万7014台、昨年よりもおよそ3000台減らして、前年比89.3%である。
そこでVWジャパンでは、10月14日に同社初の電気自動車(EV)「VW UP!」を発表、話題作りで盛り上げた。さらに28日には同社の7シーター・ミニバン「VW Sharan」の特別限定車「Sharan Glanzen 2(シャラン・グレンツェン 2)」を発表した。これは昨年の11月に発表した限定車「Sharan Glanzen」に準じたモデルで、特別装備として採用したアイテムは、ポケットやバッグにキーを入れておくだけで簡単にドアを開錠でき、エンジンの始動・停止ができるスマートエントリー&スタートシステム、電動式のパワーテールゲートなどの利便性の高いアイテムを装着したモデルだ。
一方、エクステリアは、左右のヘッドライトハウジングに内蔵した15個のLEDポジションランプと倍キセノンヘッドランプを採用して、夜間の個性的なフロントマスクを得た。また、新デザインの17インチアルミホイールを採用し精悍な印象にもなった。「Sharan Glanzen 2」は「シャランTSIコンフォート・ライン」をベースにして価格を維持しながら、スタイリッシュな外観と便利な装備を搭載した限定車となった。価格は418.9万円。ボディカラーはピュアホワイトとディープブラックパールの2色で、それぞれ150台の限定となる。
そして、同社は翌29日にも限定車を発表。今度は、同社でいちばん小さなエントリーモデル「VW UP!」の特別限定車「move up! style edition」である。今回導入する限定車は、主力モデルの「move up!」の4ドア車をベースに、新デザインの15インチアルミホイールと本革巻きステアリング、同じく本革のグリップとなるパーキングブレーキレバーなどを標準装備し、ベースモデルとの価格差を4万3000円に抑え、179.9万円とした特別限定車
「move up! style edition」のボディカラーは2色。トルネードレッドが300台、コーンフラワーブルーが200台となる。
「VW UP!」は、Aセグメントといわれるコンパクトクラスで初めて「シティエマージェンシーブレーキ(低速域追突回避・軽減ブレーキ)」を全車に標準装備。個性的なエクステリアデザインと内外装のカラーコーディネート、高い走行性能と品質、優れた経済性が高く評価されているモデルだ。日本における累計販売台数も2万4000台を超え、VWのエントリーモデルとして高い人気を誇っている。