飽和状態を超えて、二極化の進むコンビニ業界

2014年10月31日 09:26

 現代人にとって、もはやコンビニのない生活を想像するこは不可能だろう。全国津々浦々、いつでもお世話になっているはずだ。しかし、そのコンビニ業界も岐路に立っているようだ。

 2015年2月期の国内コンビニエンスストア大手の出店計画によると、セブン&アイ・ホールディングス<3382>が計画通り、1600店舗を新設。その一方で、ファミリーマートが計画を下方修正し、ミニストップは初めて総店舗数を減らすなど、業界内の二極化が進んでいる。日本フランチャイズチェーン協会によると、主要コンビニエンスストア10社の9月の売上高は6ヶ月連続で前年を下回り、1.3%減。8月の減少率の2.4%減からは回復したものの、依然として厳しい状況が続いている。

 これまで、コンビニ各社は店舗網の拡大を続けてきた。現在、日本全国のコンビニの件数は、飽和状態とされる5万店を越えて、9月時点で5万1,363店。こうした状況を踏まえ、コンビニ業界では他業種との連携が続いている。ローソンは、介護事業やフィットネスクラブを手掛ける異業種と提携。ファミリーマートもカラオケルームや定食レストランとの一体型コンビニを展開している。

 一方セブンイレブンは、15年春には未進出だった高知県にも出店するなど計画通りに出店を進める。プライベートブランドやコーヒーといった商品が人気を集め、コンビニで唯一、増税後も既存店売上高の前年比プラス。中間決算も最高益となった。なお、ローソンも1,030店を出店するが、過度な出店競争には加わらず、商品強化などを着実に進める予定だ。

 コンビニはチェーン間の出店競争もあり、既存店のマイナスが続いている。今後、収益が上がらないコンビニチェーンから、好調なチェーンへ加盟店が移る動きが広がる恐れもある。ローソンが不振のポプラと資本業務提携するなど、業界再編が加速する可能性も存在しているコンビニ業界。飽和状態を超えた業界の今後に注目である。(編集担当:久保田雄城)