セブン、イオンの8月決算、明暗色濃く分かれる

2014年10月06日 08:22

 小売業界の2強であるセブン&アイ・ホールディングス<3382>とイオン<8267>の、2014年8月中間連結決算が3日、出そろった。その結果を比較してみると、セブン&アイ・ホールディングスが主力事業であるコンビニエンスストア事業が好調に推移し過去最高益を更新したのに対して、イオンは総合スーパー事業で苦戦を強いられ最終利益が大幅減益。ただし総合スーパー事業についてはセブン&アイ・ホールディングスも大幅減を強いられており、ともに消費税増税後の対応の遅れが響く結果となった。

 セブン&アイ・ホールディングスは2日に、14年8月中間連結決算を発表。それによれば、営業利益、最終利益ともに中間連結決算としては過去最高の結果となった。またこうして過去最高を更新するのは、2年連続のこととなる。スーパーストア事業は前年同期比22.2%ダウンの91億円と大きなマイナスとなったものの、主力事業であるコンビニエンスストア事業の営業利益は前年同期比6.3%アップの1368億円であり、全体の業績の押し上げに寄与した。積極的な出店攻勢、またプライベートブランド(PB)のリニューアルなどが売り上げ増加につながった。

 それに対して3日に発表されたイオンの8月中間連結決算は、売上高にあたる営業収益では増収となったものの、主力である総合スーパー事業の営業損益が131億円の赤字で、前年同期の110億円の黒字から一転して大幅なマイナスとなった。また本業のもうけを表す営業利益も4割マイナス、最終利益も9割マイナスという結果であった。4月に実施された消費税増税への対応の遅れが足を引っ張ったほか、夏場の天候不順などもマイナスに影響した模様。

 このように、セブン&アイ・ホールディングスとイオンとで色濃く明暗が分かれることとなったが、その要因はやはり主力事業で成果を挙げることができたかどうかだろう。セブン&アイ・ホールディングスは「セブンプレミアム」などのプライベートブランドをリニューアル、それにより好調さを維持することができた。イオンも増税後のプライベートブランドの税込み価格を据え置くなどの施策を行ったものの、競合他社のさらなる値下げに対応しきれず売り上げを落とすこととなった。

 来年1月にはダイエー<8263>を完全子会社化するイオンだが、はたしてそれを巻き返しのきっかけとすることができるかどうか、今後の動向に注目したい。(編集担当:滝川幸平)