福島県の未来と政治はどのようになっていくのか

2014年11月01日 20:38

画・福島県の未来と政治はどのようになっていくのか

福島県知事選において、前副知事の内堀雅雄氏が49万票を獲得し、当選した。元双葉町長の井戸川克隆氏、牧師の五十嵐義隆氏、岩手県の元宮古市長の熊坂義裕氏、コンビニ店長の伊関明子氏、会社社長の金子芳尚氏らを大差で破った。投票率は45.9%であった。

 10月26日に投開票が行われた福島県知事選において、前副知事の内堀雅雄氏が49万票を獲得し、当選した。元双葉町長の井戸川克隆氏、牧師の五十嵐義隆氏、岩手県の元宮古市長の熊坂義裕氏、コンビニ店長の伊関明子氏、会社社長の金子芳尚氏らを大差で破った。投票率は45.9%であった。前回の知事選挙の42.4%からは若干あがったものの、過去2番目に低い結果となった。

 今回、引退する佐藤雄平知事の継承か刷新かが最大の焦点であったが、佐藤氏が後継指名した内堀氏が当選。内堀氏はどういった人か。1964年生まれ、長野県出身。東京大学経済学部卒業後、旧自治省に入省。福井県庁総務部財政課課長、大蔵省主計局法規課課長補佐、総務省自治財政局地方債課理事官、福島県庁生活環境部部長、福島県庁企画調整部部長、福島県副知事(2006年10月から2期8年)などを歴任。11年3月11日に東北地方太平洋沖地震の際には在任中で、復興の対応にもあたった。

 内堀氏の公約は、佐藤県政の継承と発展、ロボット産業の集積、子育て環境の整備、避難区域の復興が柱だ。

 今回の選挙、全候補が福島原発の全基廃炉を主張。そのため、原発政策は大きな争点にならなかった。自民党、民主党、公明党、社民党などの政党が内堀氏に相乗りする形となった。自民党福島県連は独自候補擁立を模索したが、断念。その背景には。滋賀県知事選で自民党の推薦候補が敗れたこと、状況が厳しい11月の沖縄県知事選での敗北と重ねて敗北する可能性を回避すること、原発の争点化を避けたいことなどが言われている。

 4万6000人が県外での生活、県民の約13万人が避難生活という状況。放射性廃棄物の処理、農水産物の風評被害など課題は多い。しかも低投票率が示しているように醒めた県民もいることだろう。「県は原発事故という苦しい思いを今も味わっており、事故の収束に向けて国や電力事業者に言うべきことを言っていく」と語った内堀氏。その言葉通りに行動できるかが問われている。(編集担当:久保田雄城)