「県内原発全基廃炉」をすべての候補者が掲げて行われた任期満了に伴う福島県知事選挙は26日投開票され、無所属で新人の前副知事、内堀雅雄候補が他の候補に圧勝し、当選した。選挙には元岩手県宮古市長の熊坂義裕氏や元福島県双葉町長の井戸川克隆氏ら6人が立候補した。内堀氏は民主、社民に加え、自民、公明、維新からの支援も受けての選挙戦で優位に選挙戦を運んだ。投票率は45・85%。前回を3・43ポイント上回った。
内堀氏は「県民の皆さんの福島の未来、福島の復興に対する期待をしっかり自分自身の使命として、福島の復興・再生に全身全霊を捧げていく覚悟」と知事として歩む決意を示した。特に避難生活を今も余儀なくされている12万人を超える人たちの生活再建への支援への取り組みや避難地域の復興への取り組み、東電福島第一原発の廃炉、汚染水対策の加速化へ政府や東電へ積極的に働きかけていく考えなどを示した。
内堀氏は原発事故被災県として「原子力に依存しない社会をつくる」決意を改めて示したうえで「あのような事故を起こしてはいけないということを国民、国外の皆さんに伝えていくことが福島県知事の使命と考える」とした。
民主党の馬淵澄夫選対委員長は「佐藤県政を継承し、党派を超えたオール福島体制で復興を推進・加速していこうと呼び掛けた内堀候補に県民の皆さんは福島の未来を託された。民主党は内堀知事をしっかり支え、県民とともに復興推進に全力を尽くす」と談話を発表した。
社民党の又市征治全国連合選対委員長は選挙結果についてのコメントの中で「政府・自民党は知事選挙での敗北を避けるため、自民福島県連が決めた独自候補を断念に追い込み、内堀氏に相乗りした。その結果、復興や原発などの政策争点が見えづらくなり、有権者にとってわかりづらく不満が残る選挙となったことは残念」とした。
各候補得票数は内堀氏(49万384票)、熊坂氏(12万9455票)、井戸川氏(2万9763票)、金子芳尚氏(2万5516票)、伊関明子氏(2万4669票)、五十嵐義隆氏(1万7669票)。いずれも無所属・新人。(編集担当:森高龍二)