前週末24日のNYダウは127ドル高、NASDAQ総合指数は30ポイント上昇した。「NYでエボラ出血熱の陽性反応」のニュースで朝方は前日終値をはさみ一進一退。しかし主要企業の決算を好感して尻上がりに上昇した。週間ペースでは5週間ぶりのプラスだった。ECBは26日にユーロ圏の主要銀行130行の「ストレステスト」の結果を公表し25行が資本不足だった。数は事前見通しの記事とピタリ一致し為替市場はユーロ高。27日朝方の為替レートはドル円が108円台前半、ユーロ円が137円前半だった。
日経平均は112.64円高の15404.28円と10月9日以来の15400円台にタッチして始まる。TOPIXも上昇して1250台を回復。しかしどちらも維持できず、午前9時7分に日経平均は15347円、TOPIXは1247.89まで下落。前場は一度も15400円にタッチできず、9時54分に15333円の安値をつけるが、大部分の時間は15300円台後半で上下動。前週悪かった中国市場は上海は5日続落、香港は3日続落のマイナスで始まる。ドル円が108円を割り込んで円高に振れ、11時台にもう一度15333円まで下げ前引けは15348円だった。
後場はやや高めで再開し、正午から為替が円安方向に転じると午後1時までに15400円にタッチ。ドル円は108円台に戻した。しかし9時1分の高値15414円は抜けない。2時になるとようやく高値を取って2時3分に15424円まで上昇するがそこまで。15429円が下限の日足一目均衡表の「雲」にはね返された。終盤は15400円台から滑り落ち、終値は97.08円高の15388.72円で続伸。日中値幅は91円だった。TOPIXは+11.96の1254.28。日経平均の上昇率0.63%に比べTOPIXの上昇率は0.96%と大きい。売買高は18億株、売買代金は1兆6628億円と少ない。FOMC待ち、日銀会合待ちの様子見にエボラ出血熱のリスクも意識され買いのエネルギーが続かなかった。
全セクター上昇で上位は電気・ガス、空運、鉄鋼、陸運、建設、化学工業など。下位は電気機器、倉庫、その他金融、精密機器、非鉄金属、証券などだった。
週明け27日のNYダウは12ドル高で3日続伸、NASDAQは2.21ポイント上昇で、どちらも小幅上昇。S&P500は小幅マイナス。FOMC前の様子見もあり前週末の終値近辺の小動きに終始した。原油先物価格が2年4カ月ぶりの水準まで下げエネルギー関連は下落。28日朝方の為替レートはドル円が107円台後半、ユーロ円が137円近辺で、やや円高に振れていた。
日経平均は25.44円安の15363.28円と小幅反落でスタート。TOPIXもマイナスで始まるが1250円台は堅持。日経平均は午前9時15分に15344円の安値をつけ、9時29分に15374円の高値をつけると、その後はその間の30円幅の小動きが10時30分過ぎまで続く。為替レートもほとんど動かず、TOPIXがプラスになっても一時的だった。
10時30分を回り上海市場は6日ぶり、香港市場は4日ぶりの反発で始まったが、日経平均は先物主導で崩されてボックス圏を下離れし、安値を取りながらズルズル下落していく。10時50分すぎに15300円も割り込み、10時54分に15283円の安値をつける。TOPIXも1250を割った。その時間帯、日銀の黒田総裁と岩田規久男副総裁が参議院財政金融委員会で質問に答えていた。黒田総裁はいつも通りの自信と強気で株価を下げそうな内容の発言は特に見当たらなかったが、岩田副総裁が日銀の目標「2年程度で2%の物価上昇」ついて「電車の時刻表のようにはできない。不確実性が大きい」と発言した。少し落ち着いたと思えば11時台にも11時22分に15263円まで下げ、前引けは15271円。日中値幅は111円まで拡大した。
後場はやや高い水準で再開するが、15300円台にタッチしてもなかなか定着しない。それでも午後1時20分すぎにはようやく定着して15320円付近まで上昇する。ドル円も正午頃に反転して円安方向に進み、TOPIXも1250台に戻った。しかし日経平均はせいぜい15350円近辺まででプラスにほど遠い。FOMC待ち、日銀会合待ちの様子見が根強く、日経平均は終盤も上値を抑えられ、終値は58.81円安の15329.91円で3日ぶりに反落した。日中値幅は111円。TOPIXは-2.28の1252.00。売買高は18億株、売買代金は1兆6956億円と少なかった。
プラスセクター上位は電気・ガス、食料品、鉄鋼、陸運、証券、医薬品など。マイナスセクター下位は非鉄金属、石油・石炭、鉱業、建設、機械、ガラス・土石などだった。
28日のNYダウは187ドルの大幅高。謀ったかのように取引終了直前に10月3日以来の17000ドル台に滑り込んでほぼ高値引け。NASDAQも78ポイント上昇した。耐久財受注は2ヵ月連続マイナス、S&Pケース・シラー住宅価格指数は5.6%上昇で市場予測とほぼ同水準だったが、CB消費者信頼感指数は市場予測を大幅に上回った。主要企業から好決算が次々出てNYダウは尻上がりに上昇。ハイテク・ネット系もおおむね好調でNASDAQを押し上げた。29日朝方の為替レートはドル円は108円台前半、ユーロ円は137円台後半で円安に振れた。
9月の鉱工業生産指数速報値が発表され、生産は+2.7の97.8、出荷は+4.3の97.9でともに2ヵ月ぶりのプラスで市場予測を上回った。日経平均は112.48円高の15442.39円で15400円台を回復し、TOPIXも1260台を回復して始まる。一時は15400円を割り15400~15420円の狭いレンジで推移するかと思えば9時30分前からにわかに上昇開始。10月17日の安値14529円と9月25日の年初来高値16374円の間の「半値戻し」15451円をまずクリア。10日高値の15345円と9日安値15461円の間の「マド埋め」も完了して、9時47分に15500円を突破。10時2分には15551円まで上昇して前日時点の25日移動平均線15540円も超えた。10時台は高値圏で推移。上海も香港もプラスで始まりアジア株は全面高。11時台はさらに一段高して11時9分に15564円をマークし、前引けは15541円で25日線を上回った。
後場は約32円高い15573円で再開。午後0時36分に15595円の高値を取った後は15550円付近まで水準を下げながらも安定した値動き。TOPIXは1270近辺で小動きでFOMCの結果を息をひそめて待つムード。そのまま大引けになり終値は224.00円高の15553.91円と反発し、終値ベースで10月8日以来の15500円台に乗せた。日中値幅は201円。TOPIXは+18.64の1270.64。売買高は21億株。売買代金は2兆1006億円で5日ぶりに大台を回復した。
全業種プラスで上位セクターは証券、鉄鋼、鉱業、石油・石炭、金属製品、非鉄金属など。下位セクターは化学工業、医薬品、電気・ガス、陸運、水産・農林、食料品などだった。
29日のNYダウは31ドル安で5日ぶり反落。NASDAQは15ポイント下落した。FOMCの結果は量的緩和政策(QE3)の終了と、ゼロ金利終了まで「相当な期間(considerable time)をおく」という表現を維持して大方の予想通りだったが、労働市場の改善を評価したため「景気の不安は遠のいた」「利上げは案外近い」と思惑が交錯。直後のNYダウは約100ドル幅で乱高下した。30日朝方の為替レートはドル円が108円台後半、ユーロ円が137円台半ばで、アメリカの長期金利が上昇しドル高円安が進んだ。