関電の連結純損益、82%減の26億円

2014年11月02日 15:52

 現在、日本の原子力発電所はすべてその稼働を停止している。その是非は各人意見が分かれるところかもしれないが、しかしそうして稼働を停止し続けていることで、電力会社の業績が苦境に立たされていることは間違いない。

 29日、関西電力は2014年9月中間連結決算を発表。それによれば、連結純損益は前年同期比82.4%ダウンの26億円であった。前期には福井県の大飯原子力発電所の3号機と4号機が稼働していたものの、今期にはそれらが稼働停止となり、原子力発電所全基が稼働停止となってしまったため、火力発電向けの燃料費やほかの電力会社からの電力購入費が増加したことが大きな要因とみられる。

 そして連結売上高は前年同期比4%アップの1兆6776億円であり、今年の夏はあまり気温が上昇しなかったものの、単価アップがそのマイナス分を補う形となった。連結経常利益については前年同期比94%ダウンの18億円という結果に。人件費や原子力発電所の再処理に必要な費用などは減少したものの、火力発電向けなどの燃料費が前年同期よりも9%、そしてほかの電力会社からの電力購入費が前年同期比18%と、それぞれ膨らみ採算を圧迫する形となった。しかしそれ以外の情報通信やガス販売などは好調に推移した。

 そしてこれまで予想を公表していなかった15年3月期通期の連結売上高の予想については、前年同期比4%アップの3兆4500億円とした。しかし利益の予想については、これまで通り未定とした。原子力発電所の再稼働の見通しが立たない今の状態では、予想を行うことが困難とのこと。

 しかし、このまま原子力発電所の再稼働がならなければ、15年3月期の最終損益は赤字となる公算が高いという。もしそうなると、関西電力は4年連続での赤字となる。こうした状況を受けて、関西電力は再値上げも検討している。

 国民の安全のために稼働を見合わせているはずの原子力発電所だが、しかしそれにより「電力値上げ」というしわ寄せが国民にきている。ある程度は「仕方のないこと」とわかっていながらも、どこか釈然としない思いもないわけではない。(編集担当:滝川幸平)