【今週の展望】上昇も下落もボラティリティが大きい週になる

2014年11月03日 20:12

 今週、11月第1週(4~7日)は3日が「文化の日」で祝日休場なので4日間の取引。4日は4年に1回のアメリカ中間選挙の投票日。1930年から2010年までに21回あった中間選挙の年の10月末日と翌年3月末日のNYダウの騰落を調べると、1942年から1998年まで15連勝して18勝3敗で「勝率」は85.7%。来春にかけてアメリカは株高濃厚か?

 世界の主要国の株式市場の休場は、4日はロシアが1612年、国民軍がポーランド軍の進攻からモスクワを解放した出来事を記念する「民族統一の日」、インド・ムンバイ市場が「ムハラム(イスラム新年)」で休場する。6日はインド・ムンバイ市場がシーク教の教祖グル・ナーナクの誕生日で休場する。なお、11月2日の日曜日にアメリカが冬時間に移行しているので注意。日本との時差はNYが14時間、シカゴが15時間、西海岸が17時間。NY証券取引所は日本時間の朝6時に取引が終了し、シカゴCMEの日経225先物清算値は朝7時15分頃に発表される。7日の雇用統計の発表時間は日本時間で午後10時30分。

 国内の経済指標はそれほど重要なものはないが、5日の毎月勤労統計調査の現金給与総額で個人消費の現状がつかめそうだ。4日は10月の新車販売台数、マークイット製造業購買担当者景気指数(PMI)、5日は日銀が10月31日に年約80兆円まで拡大すると発表した10月のマネタリーベース、9月の毎月勤労統計調査、6日は10月の東京都心部オフィス空室率、9月の景気動向指数、10月のマークイットサービス業購買担当者景気指数(PMI)が、それぞれ発表される。

 4日は消費税率の10%への引き上げについて有識者による集中点検会合の第1回目が開かれる。2回目は13~14日、3回目は17~18日。同じ日にGPIFの組織改革を議論する検討会の初会合も開かれる。5日は黒田日銀総裁が東京都内の「きさらぎ会」(共同通信社)で講演する。6日には10月6、7日に開催された日銀の金融政策決定会合の議事要旨が発表される。世界を驚かせた10月31日開催分の発表は25日の予定。

 主要企業の決算発表は、3月期決算企業の4~9月中間期の発表が続く。

 4日はJXHD<5020>、LIXILG<5938>、日産<7201>、ソフトバンク<9984>、マブチモーター<6592>、東京センチュリーリース<8439>、NIPPO<1881>、ポーラオルビスHD<4927>、ブラザー工業<6448>、出光興産<5019>、ジョイフル本田<3191>、キョーリン製薬HD<4569>、東洋紡<3101>、雪印メグミルク<2270>、日本製鋼所<5631>、ユニプレス<5949>。

 5日はサントリー食品<2587>、旭化成<3407>、小野薬品<4528>、テルモ<4543>、楽天<4755>、ミネベア<6479>、シスメックス<6869>、IHI<7013>、いすゞ<7202>、トヨタ<7203>、伊藤忠商事<8001>、リンナイ<5947>、三菱UFJリース<8593>、カカクコム<2371>、帝人<3401>、日本水産<1332>、キッコーマン<2801>、サッポロHD<2501>、マーベラス<7844>、ドンキホーテHD<7232>、京急<9006>、参天製薬<4536>。

 6日は味の素<2802>、東レ<3402>、日本ペイントHD<4612>、クボタ<6326>、ローム<6963>、スズキ<7269>、ヤマハ発動機<7272>、ニコン<7731>、バンダイナムコHD<7832>、大日本印刷<7912>、丸紅<8002>、三井物産<8031>、三井不動産<8801>、コナミ<9766>、ダイセル<4202>、ヤマダ電機<9831>、CTC<4739>、SANKYO<6417>、ディスコ<6146>、ユナイテッドアローズ<7606>、NTT都市開発<8933>、スクエニHD<9684>、日テレHD<9404>、アコム<8572>、鬼怒川ゴム工業<5196>、日本板硝子<5202>、コカ・コーラEJ<2580>。

 7日は国際石油開発帝石<1605>、大和ハウス工業<1925>、ヤクルト本社<2267>、三越伊勢丹HD<3099>、オリンパス<7733>、三菱商事<8058>、ユニチャーム<8113>、千葉銀行<8331>、スルガ銀行<8358>、NTT<9432>、パイオニア<6773>、ミクシィ<2121>、DeNA<2432>、グリー<3632>、SUMCO<3436>、アシックス<7936>、東急不動産HD<3289>、椿本チエイン<6371>、博報堂DY<2433>、ホシザキ電機<6465>、DOWAHD<5714>。

 新規IPOは今週1件ある。7日にエラン<6099>が東証マザーズに新規上場。長野県松本市が本社で、入院中の人、福祉施設に入所した人向けの衣類・タオル類の洗濯サービス付きレンタル、日常生活用品の提供を組み合わせたサービス(CSセット)を全国展開する。「手ぶらで入院、手ぶらで退院」が可能で、着の身着のまま緊急入院した経験がある人やその家族ならありがた味がわかるはず。公開価格は1750円。なお、東証J-REIT市場では5日に日本ヘルスケア投資法人<3308>が新規上場する。投資先は現在8カ所の有料老人ホームで、アメリカでは全REIT時価総額の約12%を占める勢力に成長した「ヘルスケアREIT」の日本初上場として話題になっている。

 海外の経済指標は何と言っても7日のアメリカ雇用統計が最重要。3日のアメリカISM製造業景況指数、5日のADP雇用統計も重要度が高い。デフレ懸念があるヨーロッパで注目されるのが6日のECB定例理事会で、10月31日の日銀のハロウィン緩和にならって国債買い入れなど量的緩和の拡大に打って出るかどうか。アメリカ中間選挙の注目ポイントは与党民主党が上院で過半数を維持できるかどうか。できなければ野党共和党はやりたい放題で、オバマ政権は残り2年間、完全な「レイムダック(死に体)」になってしまう。

 3日は中国の10月のHSBC製造業購買担当者景気指数(PMI)確報値、フランス、ドイツ、ユーロ圏の10月の製造業購買担当者景気指数(PMI)確報値、アメリカの10月のマークイット製造業購買担当者景気指数(PMI)確報値、新車販売台数、ISM製造業景況指数、9月の建設支出、4日はオーストラリアの10月の貿易収支、小売売上高、アメリカの9月の貿易収支、製造業受注、5日は中国の10月のHSBCサービス業購買担当者景気指数(PMI)、フランス、ドイツ、ユーロ圏の10月のサービス業購買担当者景気指数(PMI)、ユーロ圏の9月の小売売上高、アメリカの10月のADP雇用統計、ISM非製造業景況指数、6日はオーストラリアの10月の失業率、英国の9月の鉱工業生産、7日はドイツ、フランスの9月の鉱工業生産、ドイツの9月の貿易収支、経常収支、英国の9月の貿易収支、アメリカの10月の雇用統計(非農業部門雇用者数、失業率)、9月の消費者信用残高、8日は中国の10月の貿易収支が、それぞれ発表される。