東京は世界第4位。世界主要都市の総合力を評価したランキングで…

2014年11月07日 08:46

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東京では2020年のオリンピックまでにさまざまなインフラ整備が実施される。写真は「虎ノ門ヒルズ」周辺のビジネス街

 世界の主要都市の総合力を評価してランキングする「世界都市総合力ランキング2014年」を森記念財団都市戦略研究所が先日発表した。

 2020年にオリンピック開催が決まった東京は世界40都市のなかで4位、7年連続して順位は変わらなかった。

 世界都市総合力ランキングとは、2008年からスタートした、世界の主要40都市を「経済」「研究開発」「文化・交流」「居住」「環境」「交通アクセス」の6分野、70項目で総合的に評価して順位付けしたデータ。それぞれの都市の強みと弱点を分析して、克服すべき課題を明らかにする文書だ。総合ランキング1位は英・ロンドンで、「文化・交流」「交通アクセス」のふたつの項目で1位となったことが効いている。2位は米・ニューヨーク、3位は仏・パリだった。

 東京は、円安などの影響が追い風となって訪日外国人旅行者が増加したことで「文化・交流」の分野で昨年の8位から6位に上がったものの、「居住」17位、「交通アクセス」10位のポイントの低さが響いている。交通アクセスの低評価は、公共都市交通などのインフラよりも、海外から東京へのアクセスの問題で、おもに成田空港利用に対する不便さが原因。

 この交通アクセスの弱点で、「潜在的な観光客のニーズを十分に取り込めていない」、エアラインによる国際線就航都市の数は、ロンドン・ヒースロー空港の半数以下と指摘している。東京都などの計画では、今後の羽田空港の拡張や羽田空港と田町・品川間にできるJR山手線新駅を数分で結ぶ高速鉄道網の計画が具体化しており、改善の余地は大きいとしている。

 東京の強みは、やはり「経済」にあり、GDP(国内総生産)で、アジア主要都市に比べて優位にある。しかしながら、外国企業が東京で事業を展開するうえで、許認可や法規制、省庁の規制と複雑さが壁になるとも。また、法人実行課税の高さも「世界から日本への投資」の障壁となっているようだ。シンガポールなどでは、こうした法的手続きをワンストップで短期間に行なえるシステムを導入して高評価を獲得している。日本政府による課題解消が望まれる。その第一歩として都内11カ所を経済特区に指定、課題解消に乗り出した。

 この都市ランキングでロンドンがニューヨークを抜いて1位になったのは2012年。ロンドン・オリンピックが契機だった。果たして……。(編集担当:吉田恒)