今国会で政府提出の労働者派遣法改正案を成立させたい与党と廃案に追い込みたい民主など政府案に問題多いとする野党との対立が激化している。
7日朝の衆院厚生労働委員会も野党が与党の委員会運営の在り方や今月5日の同委員会での塩崎恭久厚生労働大臣の答弁が翌日になって厚生労働省から誤解を招く答弁だったとして変更の文書が届くなど、問題が生じている。野党はこうした問題にきちっと説明すべきとして反発を強め、7日の委員会を退席し、抗議姿勢を示した。
民主党の川端達夫国対委員長は委員会運営について「今朝、時間割表が出てきた。『与党提案』とある通り与党が勝手に本日の委員会の時間配分を決めた。委員長は野党には何も話さず、与党から言われた通りに委員会を開会したというのが事の顛末」と批判。
川端国対委員長は「委員会の異常さ、法案の中身も閣僚も委員長も役所も、これだけ瑕疵のある状況を重ねているのは前代未聞ではないか」と今国会で成立を図りたい政府・与党がスケジュールありきで事をすすめようとする姿勢を強くけん制した。
一方、自民党の谷垣禎一幹事長は7日の党役員会連絡会後の記者会見で「厚生労働委員会などの状況については国対委員長から、労働者派遣法はしっかり通していきたい。いろいろ抵抗があるがきちんと瑕疵なくやってきているという話があった」と述べ「だいぶいろいろ審議も積み重ねてきたと思いますし、そろそろ採決のタイミングが来たと国対委員長がご判断になっているのは、むべなるかなと思う」と語った。
さらに、野党側が塩崎厚生労働大臣の答弁などの問題を受けて派遣法改正案に対し理解度が低いのではとしていることに「塩崎厚生労働大臣は頭の切れる方ですから、そこはもう十分ご理解してやっておられる。私は別に塩崎厚生労働大臣の理解が浅いとは思いません」と擁護した。与党は来週中の採決を目指す構えで、こうした動きに野党側から「とんでもない」と強い批判や懸念が出ている。(編集担当:森高龍二)