成田空港、リテール事業好調により増収

2014年11月17日 07:10

 先日、新関西国際空港株式会社が関西国際空港と大阪(伊丹)空港の入札にともなう詳細な募集要項を発表したばかりだが、それでは東にある成田国際空港の業績はどうなっているのか?2つの空港の業績不振により多額の負債を抱え空港売却へと踏み切った新関西国際空港会社だが、成田国際空港株式会社は14日、2014年4~9月期の中間連結決算を発表。それによれば、純利益が前年同期比10%ダウンの115億円という結果であった。

 そのほか、売上高は前年同期比0.6%アップの1000億円、営業利益は前年同期比6.0%ダウンの219億円、経常利益は前年同期比4.7%ダウン191億円という結果であり、増収減益となった。発着回数は増加したものの、航空会社の使用機材の小型化にともない、機体の重量などによって決定される着陸料収入が減少したことにより、空港使用料収入や給油施設使用料収入が減少。また国際線の日本時旅客の数も減り、旅客施設使用料収入も減少した。

 しかし日本を訪れる外国人旅客の数は増えており、また店舗増床やリニューアルが功を奏して空港内での物販が好調に売り上げを伸ばした結果、増収となった。そして成田国際空港株式会社は15年3月期通期の業績予想の上方修正を行った。売上高を従来の予想である1906億円から1967億円に、営業利益を従来の予想である335億円から350億円に、純利益を従来の予想である165億円から178億円にそれぞれ引き上げを行った。

 事業分野別の売上比率で見てみると、空港内での物販といったリテール事業などの非航空系売り上げが着陸料などの航空系の売り上げを上回った。これは開港以来初めてのことである。今も進行中である店舗リニューアルでは、仮店舗の運営や店舗面積が減少しても売れ筋商品を集約するなどの工夫により、工事中の売り上げ減少をカバー。そうした取り組みが今回の非航空系売り上げ増加という結果につながったようだ。そして成田国際空港株式会社は、今後もリテール事業を非航空系収入の要として強化していく方針だ。(編集担当:滝川幸平)