民主党は24日、総選挙で約束する「党のマニフェスト」を発表した。(1)熱く、豊かな中間層を復活させる(2)一人一人を尊重し、ともに生きる社会をつくる(3)地域の声に耳を傾け、ふるさとを再生(4)専守防衛と平和主義の堅持(5)身を切る改革の断行の5本を柱にし、経済政策など主な政策を提示している。
安保・外交では当然のことながら、国民の生命財産・領土・領空・領海を守るとしたうえで、集団的自衛権の行使容認を認めた閣議決定は立憲主義に反するため撤回を求める。特定秘密保護法については国会等第3者機関による監視と関与を強化するまで施行を延期するとしている。
海江田万里代表が発表した。マニフェストでは現況について(1)実質賃金が15か月連続マイナス。働く人はますます苦しく(2)増え続ける非正規雇用(3)安易な原発再稼働(4)秘密保護法の強行採決(5)議員定数削減は2年経っても実現せずなど、安倍政権下の断面を指摘。
5本柱の具体策では補助金などでガソリン、軽油価格高騰対策を講じる。国民生活に留意した金融政策を日銀に求める。子育て支援の拡充、結婚・出産支援の強化、グリーン・ライフ・中小企業に政策資源を集中させ、未来につながる成長戦略を実行する。地域の発想に基づく規制改革を推進するとしている。
雇用では労働条件を後退させる労働規制緩和を認めない。同一労働同一賃金推進法を制定する。中小企業支援を行いながら最低賃金を引き上げる。農業では農業者戸別所得補償制度を法制化し、国産米の安定供給を図る。
原発では東電福島原発の事故原因の解明と原発事故発生時の避難計画について国の責任を明確する制度を整備。避難計画がなければ原発は再稼働すべきでないとしている。
身を切る改革では衆参両院の議員定数の削減、一票の格差是正、政治資金の情報公開推進(国会議員関係の政治団体の収支報告書はインターネットで一括掲載するなどをめざす)。公務員改革では国会公務員総人件費の2割削減目標をめざす。公務員の労働基本権を回復し労働条件を交渉できる仕組みを構築するとしている。
憲法については国民主権・基本的人権・平和主義を守る。憲法解釈を恣意的に歪めることや改正の中身を問うことなく改正手続きの要件緩和を先行させることは立憲主義の本質に照らして反対とし、憲法対話を国民とすすめ、補うべき点や改めるべき点への議論を深め、未来志向の憲法を構想するとしている。(編集担当:森高龍二)