格安スマホを巡る争い激化。ニフティが参入発表

2014年11月28日 08:03

 携帯電話大手3キャリア、NTTドコモ<9437>、KDDI<9433>のau、ソフトバンク<9984>以外の異業種がこれら3キャリアよりも安い料金でスマートフォン(多機能携帯電話)事業に参入するケースが、増加の一途を辿っている。この異業種が参入し安い料金で提供されるスマートフォンは「格安スマホ」と呼ばれおり、総務省の競争促進方針を受けてこの傾向はますます強くなり、そしてそれにつれて「格安スマホ」を巡る顧客獲得争いも激化の一途を辿りつつある。そうしたなか、新たな企業がこの「格安スマホ」への参入を発表した。今回参入を表明したのは、インターネット接続大手のニフティ<3828>である。

 インターネット接続大手のニフティは26日、通信会社大手の回線を借りLTEデータ通信や音声通話に対応したMVNO(仮想移動体通信事業者)サービス「NifMo(ニフモ)」の提供を開始するとの発表を行った。「NifMo」はNTTドコモの回線を利用し、競争が激化する「格安スマホ」業界において他社と差別化するため、「NifMoバリュープログラム」「NifMo コネクト」といったサポートサービスを行うとしている。

 「NifMoバリュープログラム」では専用アプリを経由してECサービスを利用すると、利用金額の最大10%分が通信費用から割り引かれる。利用できるECサービスは東急ハンズなど100店舗以上。また「NifMoコネクト」では自宅のWi-Fiやニフティが提供する「Wi-Fiスポット」に接続することができ、Wi-Fiとモバイルネットワークを自動で切り替えてくれるので、データ量の節約が可能となる。

 「NifMo」の端末は台湾エイスース製スマートフォン「ZenFone(ゼンフォン)5」を使用しており、24回払いで購入した場合、データ通信や音声通話の機能を付けて月額料金は2897円(税抜き、30秒あたり20円の通話代は別)となり、大手の携帯電話会社の料金と比べてかなりお得となる。

 スマートフォンの月額料金の高さに不満を持っているユーザーは多い。こうしたユーザーにとって、「格安スマホ」が提示する料金は魅力的に映ることだろう。料金の安さに惹かれて多くのユーザーが「格安スマホ」に流れるのか、それとも多少料金が高くてもそのブランドを信頼し大手のキャリアにとどまるのか、「格安スマホ」内だけでなく、大手と「格安スマホ」間での顧客獲得争いも激しくなりそうだ。(編集担当:滝川幸平)