一人負けのソニー 浮上のカギはスマホ事業

2014年11月10日 10:58

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ソニーは10月31日に2014年9月中間連結決算を発表した。最終損益が1091億円の赤字となり、前年同期の165億円の赤字から大幅に収益を悪化させた。また売上高が6.5%増の3兆7114億円となったものの営業損益は157億円の赤字。前年同期は494億円の黒字だった。一方

 ソニー<6758>は10月31日に2014年9月中間連結決算を発表した。最終損益が1091億円の赤字となり、前年同期の165億円の赤字から大幅に収益を悪化させた。また売上高が6.5%増の3兆7114億円となったものの営業損益は157億円の赤字。前年同期は494億円の黒字だった。一方、同じ日に決算発表だったパナソニック<6752>は純利益809億円、シャープ<6753>も純利益47億円で、ソニーの一人負けの状況が浮き彫りになった。

 不振の要因は、スマートフォン事業である。期初の予想を5000万台としていたスマートフォンの世界販売台数。いったん4300万台に数値の見直しをしていたが、今回改めて4100万台に下方修正された。下方修正した200万台はすべて中国市場で見込んでいた数字であるなど、中国での不振が響いており、専用モデルの開発中止などで、販売地域と商品を絞り込む予定だ。今期はスマホ事業の立て直しに注力し、来期の黒字転換を目指す。

 ソニーはこれまで、テレビ事業を分社化し、パソコン事業も投資ファンドに譲渡するなど改革を進めてきた。7月に分社化したテレビ事業は約10年ぶりに2四半期連続の黒字。

 同日にソニーは、スマホ事業のトップ交代を発表した。ソニー・モバイルコミュニケーションズ社長を事実上更迭し、十時裕樹氏を充てて、事業再建を図る。ソニー・モバイルコミュニケーションズは、すでに約1,000人の人員削減を発表しており、そのほとんどが中国市場が対象になっていた。

 一方で、ゲーム事業は好調で、ゲーム販売計画は、据え置き型機(PS4/PS3)が1,700万台、「PSヴィータ」など携帯型機が350万台の計画を維持。4~9月期の営業損益は261億円の黒字で、通期の営業利益を350億円に上方修正した。
 
 ソニーの命運を握ることになるスマホ事業であるが、中国メーカーの台頭で見通しが決してよくはない。しかし、改革の成果も確かに現れてきている。ソニーの経営改善の行方を注目したい。(編集担当:久保田雄城)