東京電力<9501>は、今期のコスト削減額が5700億円から2500億円上積みされ8200億円になる見込みで、電気料金の再値上げを見送る公算が出て1円安。大阪ガス<9532>は電力小売全面自由化の2016年春に家庭向けの電力小売に参入する方針を明らかにして2.8円高。京阪神地区から始めて将来、全国に5、6ヵ所の火力発電所を建設し都市ガス利用世帯の1割にあたる70万世帯に電力を供給するという。日本海洋掘削<1606>は、JOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)が前日、沖縄本島北西沖で海底熱水鉱床を発見したニュースに反応して一時ストップ高の625円高で値上がり率2位。金属資源を豊富に含むという。
エーザイは売買代金5位に入り288.5円高で連日の年初来高値更新。アメリカのバイオジェン・アイデック社と共同開発・共同販促契約を締結して開発を進めてきたアルツハイマー型認知症治療薬の臨床試験が順調に進み期待が高まっている。綜合臨床HD<2399>は8~10月期(第1四半期)決算を発表。経常利益は51.5%増の2.9億円で、ストップ高比例配分の80円高で値上がり率1位に。業績上振れが期待が大きい。アース製薬<4985>は9月に連結子会社化した防虫剤の白元アースの業績がふるわず、12月期の純利益見通しを32億円から前期比66%減の10億円に下方修正して20円安。
品不足が起きている家庭用バターについて農林水産省は雪印メグミルク<2270>、よつ葉乳業、明治HD<2269>、森永乳業<2264>の大手メーカー4社に要請し12月の供給量を前月比で約33%増加させると発表した。負担を嫌気され雪印メグミルクは7円安、明治HDは30円安、森永乳業は2円安。
三井物産<8031>は東アフリカのモザンビークで約1500億円を投資し、石炭の開発・生産と鉄道、港湾など交通インフラの整備に参画すると報じられ3.5円高。天然ガス資源の開発や火力発電事業も想定しているという。丸紅<8002>は食品卸第3位で独立系の老舗、国分(非上場)と包括提携し、6月をメドに仕入れや営業、物流などで協業すると報じられ0.2円高。丸紅と国分の売上高を合算すると2兆円近くになり、食品卸トップの三菱食品<7451>に次ぐ規模。三菱食品は12円安だった。ケーズHD<8282>はユーロ円建転換社債型新株予約権付社債を発行して300億円を調達し、調達資金のうち約200億円を新規出店に、約100億円を360万株、100億円上限の自社株買い資金にあてると発表して25円安。誰の入れ知恵なのか「CBを発行して自社株買い」が最近目立つ。
仙台空港の運営権売却の一次審査はこの日が締切。16.5円高だった三菱地所<8802>の陣営に加わったANAHD<9202>は売買高8位に入って1.3円高で、5円安の大成建設<1801>、35円高の日本空港ビルデング<9706>も同じグループ。7円安の三菱商事<8058>と組んだ楽天<4755>は7.5円安。オーストラリアの金融大手マッコーリーと組んだ東急<9005>は7円高。値動きなしの熊谷組<1861>と共に応募したイオン<8267>は16.5円安だった。
新興市場は日経ジャスダック平均が0.56%上昇、東証マザーズ指数が1.63%上昇。海外展開に関する記者会見を10日に開くと伝えられた「ゲーム新御三家」のガンホー<3765>はストップ高の80円高で、ミクシィ<2121>も連れ高し140円高だった。
この日の主役は「名古屋」銘柄。名古屋市が本社のジャスダック上場の機械商社ナ・デックス<7435>は、4月期通期の営業利益見通しを11.5億円から16億円に上方修正するとストップ高比例配分の150円高に。名古屋証券取引所2部上場で商業施設の開発などを手がける日本商業開発<3252>は26日の東証1部または2部への指定替えを承認されたと発表。公募増資などで最大42億7739万円を調達するとも発表したが106円高で年初来高値更新。調達資金は土地の仕入れなどに使う。名古屋の繁華街、栄にある百貨店の丸栄<8245>は、名古屋市が名古屋駅周辺を対象に「リニア・スーパーターミナル特区」を提案し政策期待で買いを集めて13円高で値上がり率8位。しかし名古屋駅から地下鉄で2駅離れた栄も特区に含まれるのかどうかは、わからない。(編集担当:寺尾淳)