アメリカの中間選挙で何が起こったのか

2014年11月30日 20:24

画・アメリカの中間選挙て_何か_起こっているのか

米国連邦議会議員を決める、中間選挙が行われた。結果は、共和党が下院での多数派としての立場を維持しつつ、上院でも多数派を占めた。共和党は定数100の上院で現有45議席から52議席に拡大。ブッシュ政権が大敗した2006年の中間選挙以来の過半数を奪回した。

 11月4日にアメリカの連邦議会議員を決める、いわゆる中間選挙が行われた。結果は、共和党が下院での多数派としての立場を維持しつつ、上院でも多数派を占めた。共和党は定数100の上院で現有45議席から52議席に拡大。ブッシュ政権が大敗した2006年の中間選挙以来の過半数を奪回した。この結果、共和党は上下両院で多数派となり、民主党は過半数を失った。オバマ大統領には政権運営上厳しい状況となった。

 選挙前、オバマ政権への支持率が40%程度に低迷していたため、今回の選挙結果はオバマの人気が低下していることをそのまま反映したと見る人も多い。今回の選挙の争点としては、イスラム国、エボラ出血熱への対応、経済といったテーマになったが、オバマ政権には苦しい状況であった。これを受けて、民主党候補の中にはオバマ政権の批判をかわすために、政権と距離を置く姿勢をアピールしたり、オバマ氏を批判する候補も中には出てくるなどの動きも見られた。

 今後どういった変化が想定されるのか。大統領選挙の公約として掲げた最低賃金引き上げ、富裕層増税を進めるのは難しいとみられている。医療保険改革(いわゆるオバマケア)に関しても共和党からの圧力が強まり影響を受けるとみられている。

 また、イスラム国への強硬な姿勢を持つ共和党が議会の両院で過半数を占めたことで政策修正の可能性も想定される。これまでオバマは地上部隊の派遣することに一貫して反対している。シリアのアサド政権ともアメリカは対立状態にあることもあり、シリアに協力はできないという状況にあった。

 日本への影響という意味ではTPP交渉でのアメリカの姿勢変化が想定されている。議会のねじれが解消し、積極的に進める可能性がある。民主党は農業州選出議員や労働組合を中心にTPP関連法案の審議を伸ばすなど自由貿易に前向きではなかったからだ。日米関係、安全保障、TPP、沖縄問題・・・どうなるか。(編集担当:久保田雄城)