アサヒビールが2015年に4種類の個性派ビール「アサヒ・クラフトマンシップ」を発売する。シリーズ共通のデザインとして、購買者がどんな味わいのビールかすぐに想起できるよう、缶胴表面にその特徴がひと目で分かるレーダーチャートを表記した商品だ
ビールを事業主体とするアサヒグループは第3四半期決算で、2014年1~9月期において純利益で544億円、前年比16.0%増を記録し、当期最高益を記録した。その事業主体であるアサヒビールがプレミアムビール市場でも好調だ。ギフト限定商品だった「スーパードライ・プレミアム」が最高益達成に貢献したという。プレミアビール市場は、サントリーが2007年頃から打ち出した「プレミアム・モルツ」が牽引し、それまで「エビスビール」の独壇場だった高級ビール市場規模が一気に拡大してきた。そこで、「ビールNo.1企業」であるアサヒビールの真骨頂「スーパードライ」でプレミアム市場を切り拓いたというわけだ。
アサヒビールは、「ビールNo.1企業」を鮮明にするマーケティング戦略の一環として、ビール文化を広く一般に伝えていく取り組み「アサヒ・クラフトマンシップ」シリーズを数量限定商品として新たにリリースする。
第1弾となる『ドライポーター』を2015年2月10日に、第2弾となる『ドライペールエール』を2015年3月24日に、それぞれ全国のコンビニエンスストア限定で発売する。
今回発表となった「アサヒ・クラフトマンシップ」シリーズは、ビール醸造学マスターの称号を持つアサヒビールの職人がレシピや製法、味わいといった商品設計を監修。同時に、厳選素材を用い手間暇かけてつくるこだわりの逸品として世界中で楽しまれる多様なビールをモデルに、季節に合わせた味わいを年4回商品化して提案するというもの。
第1弾として発売する『ドライポーター』は、重厚なコクと香ばしいロースト香が特徴の麦芽100%の生ビール。濃厚でホップの苦味の強い上面発酵で醸造する濃色ビールだ。上面発酵は量産型ビールでは効率が悪くあまり採用しない醸造法だが、この重厚なコクをつくり出すために “上面発酵酵母”と香ばしいロースト香が特長のチョコレート麦芽を一部使用してつくりあげた。味の決め手となる厳選ホップを一部手で投入するなど、こだわりの製法で醸造し、缶体は液色と同様にポータータイプのダークブラウンに仕上げた。
第2弾となる『ドライペールエール』は豊かなコクと芳醇なホップの香りが特長で、こちらも麦芽100%の生ビール。この豊かなコクをつくり出すために、同じく上面発酵酵母を使用し、さらに華やかな香りが特長のカスケードホップを一部使用しました。また、第1弾同様に香りの決め手となる厳選ホップは一部手で投入するなど、春にふさわしい爽やかな香りを実現したという。缶体はホップのさわやかな色合いをイメージした、鮮やかなグリーンを採用し、液色はペールエールタイプの淡色に仕上げた。ペールエールは、淡い色の大麦麦芽を使用して醸造する上面発酵のビールである。
今回、「アサヒ・クラフトマンシップ」シリーズ共通のデザインとして、購買者がどんな味わいのビールかすぐに想起できるよう、缶胴のその特徴がひと目で分かるレーダーチャートを表記した。また裏面は、醸造責任者の署名と共に、処方、原料、仕込み、熟成などこだわりの手法を記載してアピールしている。このワインの裏ラベルなどで使われる手法が缶ビールに登場。小ロット&個性派プレミアムビールで、消費者への訴求ポイントになるかも知れない。(編集担当:吉田恒)