長崎県佐世保市にあるテーマパーク、ハウステンボスは12月2日、同県西海市にある旧長崎オランダ村と大村湾の無人島を利用して、新たなテーマパークを設置する構想を明らかにした。旧長崎オランダ村はハウステンボスの前身ともいえる施設で、1983年に開園された。
長崎県佐世保市にあるテーマパーク、ハウステンボスは12月2日、同県西海市にある旧長崎オランダ村と大村湾の無人島を利用して、新たなテーマパークを設置する構想を明らかにした。
旧長崎オランダ村はハウステンボスの前身ともいえる施設で、1983年に開園された。92年には近隣により大規模なテーマパークとなるハウステンボスを新設。10年間ほど並行して運営されていたが、ハウステンボスの営業不振を受けて2001年10月に閉園した。跡地には再利用の可能性が期待され、03年に西海市が購入。05年には食のテーマパークとして復活を遂げたが、客足が伸びず、わずか半年で破綻するに至った。
一方のハウステンボスは経営不振に苦しんだが、10年に旅行会社大手のエイチ・アイ・エス<9603>が支援に手を挙げ、同社の会長である澤田氏がハウステンボスの社長に就任、子会社化された。以降、イルミネーションを使った「光の王国」などが人気を集め、客足は回復。11月28日に発表された9月期の単独決算では、営業利益が73億円で前期比1.5倍となり、4期連続で過去最高を更新した。さらに、10月の入場者数は279万4,000人で、前期比13%増にもなった。冬本番を迎えるこれから、イルミネーションによる集客で、客足はますます伸びそうだ。
勢いに乗るハウステンボス。旧長崎オランダ村は現在、施設の一部を利用して西海市役所西彼総合支所と長崎県央振興局農林部西海事務所を設置しているが、大部分の建物では老朽化が進み、テーマパークとして再生するには巨額の費用がかかる。だが澤田氏は2~3年後を目途に開業を計画しており、「これまでにない最新のテーマパークを作る」と意気込みをみせている。大村湾の無人島は、5~10年かけて開発を行っていく計画で、具体的内容については来年発表の予定だ。投資総額は数百億円規模とも言われており、地元周辺でも大がかりな再開発に期待が高まっている。(編集担当:久保田雄城)