19日は東証1部にメタウォーター<9551>が直接、新規上場する。東京が本社で浄水場・下水処理場の各種プラントの設計、施工監理、維持管理を行う企業。公開価格は2400円。東証マザーズにサイジニア<6031>が新規上場する。東京が本社でパーソナライズ・エンジン「デクワス」を利用してEC事業者、小売業向けのネットマーケティング支援サービスを提供する。公開価格は2560円。
海外の経済指標は、これまで何度も痛い目にあわされたHSBCの中国PMIが、今月は23日ではなく16日に発表される。FOMCの声明文は、「超低金利を当分の間維持する」の「当分の間(considerable time)」という言葉を削除するかどうかが焦点。considerableがtemporary(一時的)とかprovisional(暫定的)などの言葉に置き換わっても、同様にNY株式市場の下げ要因になる。
15日はアメリカの12月のNY連銀製造業景気指数、11月の鉱工業生産指数・設備稼働率、12月のNAHB住宅市場指数、10月の対米証券投資、16日は中国の12月のHSBC製造業購買担当者景気指数(PMI)、フランス、ドイツ、ユーロ圏の12月の購買担当者景気指数(PMI)速報値、英国の11月の消費者物価指数(CPI)、ドイツの12月のZEW景況感指数、ユーロ圏の10月の貿易収支、アメリカの11月の住宅着工件数、建設許可件数、17日は英国の11月、8~10月の失業率、ユーロ圏の11月の消費者物価指数(CPI)確報値、アメリカの11月の消費者物価指数(CPI)、7~9月期の経常収支、18日は中国の11月の主要70都市住宅価格、ドイツの12月のIFO景況感指数、11月の小売売上高、アメリカの12月のマークイットサービス業購買担当者景気指数(PMI)速報値、12月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、11月のCB景気先行総合指数、11月の北米半導体製造装置BBレシオ、19日はフランスの12月の製造業信頼感指数、ユーロ圏の10月の経常収支が、それぞれ発表される。
16~17日にアメリカのFOMC(連邦公開市場委員会)が開かれ、17日の終了後、イエレンFRB議長が記者会見を行い景気見通しなどを発表する。17日にギリシャの国会で大統領を選出するための第1回投票が行われる。緊縮財政反対派の候補が選出されるとユーロ安、ヨーロッパの株安を引き起こしかねない。18~19日にブリュッセルで欧州連合(EU)の首脳会議が開かれるが、ギリシャの問題も議題になりそうだ。
アメリカ主要企業の決算は、17日はオラクル、18日はナイキが発表する予定。
人の世は、素直な気持ちになれなかったことで、太古の昔から星の数ほどある不幸を招いてきた。心のどこかに「あの時、素直になればよかった」という後悔の念を抱いていない人は、ほとんどいないだろう。
前週までの東京株式市場も、素直ではなかった。「思惑」などは、その最たるもの。総選挙は報道機関の与党圧勝の予測が相次いでも、「勝負事はゲタを履くまでわからない」という思惑で様子見。8日までの7日続伸に貢献した日銀のETF買い入れ、人呼んで「日銀砲」も、前場がマイナスになれば「撃たれる」思惑で下げ止まるだけでなく、8日には撃たせたい思惑で前引値をプラスから小幅マイナスに誘導する「寸止め工作」まで出現した。その日は結局、日銀は前場が小幅プラスでも撃ってサービスしたので「ムダ撃ちするな」と言われ、前場がマイナスでも撃たなかった日は「もうタマ切れか?」と疑心暗鬼。SQ週になると「SQ値を低く抑えたい」思惑による指数プレイが日経平均をゴリゴリ下押しした。そのおかげで12日のメジャーSQ日は下に「まぼろしのSQ値」が出現した。
マーケットが素直じゃない極めつきは、好決算や通期業績上方修正の発表とともに、増配や株主優待拡充や自社株買いや株式分割を発表したのにボロボロ売られ、うれしくもない値下がり率ランキング上位に入る銘柄が出たこと。それに対する相場解説も「理由がわからない」とか「不思議だ」とか言えば沽券にかかわるらしく、「材料出尽くし」という取って付けたような曖昧模糊とした理由がつけられていた。こちらも素直じゃない。
だが、事前にさまざまな思惑が交錯したSQにも総選挙にも、もう決着がついた。だから今週は「素直になりたい」週。値動きは思惑に左右されたりせず、好材料は素直に好感して株価上昇、悪材料は素直に失望して株価下落、買われすぎなら素直に警戒して上値が抑えられ、売られすぎなら素直に押し目買いのチャンスとみた買いが入って下げ止まる。そんな素直な週になると期待したい。
「12月のメジャーSQ後週」の日経平均の騰落をさかのぼって確かめると、2013年は467円(3.03%)上昇、2012年は202円(2.08%)上昇、2011年は134円(1.58%)下落、2010年は91円(0.90%)上昇、2009年は34円(0.34%)上昇、2008年は352円(4.28%)上昇、2007年は257円(1.66%)下落、2006年は496円(3.02%)上昇、2005年は230円(1.50%)下落、2004年は321円(2.99%)上昇で、10年間で7勝3敗。半数は2%を超える上昇をみせた。また、2012年以後の年4回のメジャーSQ後週は今年9月までに11回あったが、9勝2敗の高勝率で2%を超える上昇をみせたのは7回。先物の裁定買い残が減って需給が改善するため、「メジャーSQ後週」の日経平均は上昇しやすくなるというデータを、素直に参考にしたい。
12日終値のテクニカルポジションも素直な気持ちで眺めよう。終値17371.58円は5日移動平均の17558円、25日移動平均の17408円よりも下で、75日移動平均の16279円、200日移動平均の15407円よりも上。前週初めの「ねじれは変化日」が見事に的中した日足一目均衡表の「雲」は15828~16004円。ボリンジャーバンドは25日線-1σの17110円と+1σの17705円の間の「ニュートラル・ゾーン」に位置している。