自治体が婚活支援 その背景と婚活に疲れる人たち

2014年12月14日 20:27

 鳥取市がオリジナルの婚姻届けを作成したことを日本経済新聞が報じている。神話の「因幡の白ウサギ」に出てくる大国主命(おおくにぬしのかみ)と八上姫(やかみひめ)などがデザインされている。

 このように自治体が婚活を支援しているケースは多い。鳥取市以外にも、千葉県では女性の生活をアプリでサポート。結婚だけでなく、妊娠、出産、子育てまで支援してくれる仕組みだ。大手結婚相談所ツヴァイ<2417>は自治体で開催するお見合いパーティ、婚活イベントを支援している。新婚世帯に助成金を出す自治体、仲を取り持った結婚した場合、仲人に報奨金を支払う自治体まで出てきている。

 そこまでして自治体が婚活を勧めるのはなぜなのか。それは自治体の人口減少に歯止めをかけるためである。特に地方では若者が都市部へ流出し、高齢者が残ってしまう。それでも高齢者の年金で経済が成り立ってきた。しかしNHKの調べでは全国の5分の1の自治体で高齢者も減少しているのである。若者は増えず、子供も生まれず、税収は減り、このままでは自治体が消滅してしまうという危機意識もあり、婚活を支援する自治体が増えているのだ。

 婚活という言葉が出てきて久しいが、「婚活疲れ」という言葉も出てくる。疲れてしまう理由として「最初思っていたよりも長期戦になる」「断られることの方が断然多い」などだ。お見合いパーティや婚活イベントに参加しても、意気込み過ぎて空回りし、理想の相手が見つからないなど、うまく行かないケースは多い。

 「結婚」という2文字が頭から離れないため「結婚相手の条件」に縛られることになる。年収○○万円以上、既婚歴なし、相手の両親との同居はしたくないなど、「自分が結婚相手に求めている条件が、自分が思っていた以上に多かった」と気づく人も多いだろう。アドバイスとして「結婚目当てではなく趣味のサークルなどで気軽に出会い見つかるケースも多い」とも言われる。

 しかし、趣味と出会いと結婚を全く別にして考えたい場合はどうしたらいいのだろうか。「運命の人を待て」とか「イバラの道を覚悟せよ」など情報がはびこる中、自分が求めているものは何だろうかと考え直す人さえいるだろう。欲しい幸せが結婚とは限らないと気づくこともあるに違いない。(編集担当:久保田雄城)