乾燥肌の季節。保湿クリームが効かないわけは、入浴にあった?

2014年12月20日 16:18

 毎年この時期になると、皮膚の痒みや粉吹きなどの、いわゆる「乾燥肌」の話題が急増する。それは取りも直さず、乾燥肌で悩む日本人がそれだけ多いというあらわれだ。矢野経済研究所による「化粧品市場に関する調査結果2013」をみると、2012年度のスキンケア市場は前年度比101.0パーセントの1兆596億円、2012年度の国内化粧品総市場2兆2,900億円の実に46.3パーセントを占めているにもかかわらず、乾燥肌は解決するどころか需要が増え続けているのが現状だ。加えて最近では、女性のみならず男性でも、見た目の清潔感を損なう乾燥肌の対策を心がける動きも活発になっており、乾燥肌対策市場は益々拡大するとみられている。

 そもそも、乾燥肌の原因は何だろう? 乾燥肌の一番の原因は、やはり大気中の温度や湿度の変化にあると考えられる。温度や湿度が低下すると皮膚の水分が蒸発しやすくなる。その上、エアコンやコタツなどの暖房設備が皮膚表面の水分の蒸発を促進してしまう。また、冷えから血行が悪くなって新陳代謝が低下することも肌の乾燥を招く大きな要因だ。

 健康な肌の場合、角質層に存在する細胞間脂質や天然保湿成分のNMF、そして皮脂が、水分を保つためのいわば天然の保護クリームのような役割をしている。その内の80%を担っているセラミドなどの細胞間脂質はとくに重要なものだ。ところが、気温や湿度で乾燥すると、これらのバランスが崩れてしまうことで、痒みや粉吹きなどの症状があらわれてしまうのだ。

 これを補うために、花王株式会社の「ニベアクリーム」シリーズや、ネット通販でも人気を集めるホワイトラベルの「贅沢プラセンタのもっちり白肌BBクリーム」、ロート製薬が展開する「肌ラボ」シリーズなどの保湿クリームや化粧水を用いる人が多いが、それでも乾燥肌が改善されないという場合は、入浴の仕方や身体の洗い方を見直すことをお勧めしたい。

 実は、入浴時にタオルでごしごしと肌を強くこすることで、肌のバランスは乱れ、肌をガードしている細胞間脂質やNMFも流れてしまっている可能性が高いという。そんな状態で、いくら高性能な保湿クリームなどを使用しても、焼け石に水。せっかくの成分も十分に働かず、いつまでたっても肌の状態は治まらないというわけだ。

 そこで最近では、敏感肌の患者にはタオルではなく、手で身体を洗うことを推奨している皮膚科も多い。また、ボディーソープなどにも気を使って自衛する人も増えており、今年、ロート製薬から発売された乾燥肌用のボディーソープ「ケアセラ」も順調に売り上げを伸ばしているようだ。

 「ケアセラ」は、従来のアルカリ性洗剤や弱酸性洗剤とは異なる独自の次世代洗浄技術をうたった商品で、弱酸性洗剤でも若干流れてしまうセラミドもしっかり捕らえ、さらにはケアセラ自体にも7種類もの天然型セラミドを配合して洗うたびに肌の潤いを改善してくれるという。

 乾燥肌は、肌のトラブルだけでなく、イライラやストレスの元にもなる。また、カサカサの粉吹き肌では、対外的な印象がダウンしてしまうこともあるだろう。女性だけでなく男性も、この冬は潤いのある肌で乗り切りたいものだ。(編集担当:藤原伊織)