冷え症改善に新たな光! 定番・生姜のNEXT素材は?

2014年11月15日 18:50

 日毎に寒さが増してくるこの季節になると、冷え症の話題を目や耳にする機会が多くなる。女性にとって冷え症は、乾燥や肥満などと並ぶ最大の悩み事であり、関心事だ。冷え症の悩みを持つ女性は、実に成人女性の80パーセント以上とも言われている。

 ママ参加型サイト「ママこえ」を運営する株式会社マインドシェアが、0~9歳の子どもを持つ母親を対象に行った「冷え症に関するママへの実態調査」によると、冷え症だと感じるママは約9割、その内10代からすでに冷え症を自覚しているママは約半数にものぼることが分かった。また、最近では男性の冷え症も話題になることが多く、男女問わず冷え症の悩みは拡大しているようだ。

 冷え症の主な原因は、生活習慣、とくに食生活の乱れが原因といわれている。また、ストレスなどに起因するホルモン分泌の乱れや自律神経の失調、それらが引き起こす血行不良なども冷え症の原因になる。

 とはいえ、忙しい生活の中、一度染み付いてしまった生活習慣はなかなか容易に改善できるものではない。そこで人気を集めているのが、冷え症を改善するための靴下や湯たんぽなどのグッズや、体を温めるとされる食品類だ。

 とくに生姜系の食品やドリンク類は人気で、2007年に永谷園が発売した生姜食品シリーズ「冷え知らずさん」は、いわゆる「明らか食品」と呼ばれる市場の形成に一役買うと同時に、冷え症対策食品の需要を拡大させる原動力となった。また、2011年にキリンビバレッジが発売して一躍ヒット商品となった生姜配合のブレンド茶飲料「からだ想い茶 ぽっぽ茶」も、「冷え知らずさん」同様に冷え症対策のドリンク類市場を牽引する存在となっている。

 ところが、これまで冷え症改善の定番であった生姜にも匹敵しそうだといわれ、注目されている素材がある。それが、ミツバチ産品のローヤルゼリーだ。ローヤルゼリーは、女王蜂のみが生涯にわたって食べることが出来る特別食として、働き蜂が花粉や蜂蜜を食べて分泌する乳白色のゼリー状物質だ。タンパク質、糖質、ビタミン、ミネラルのほか、特有成分として10-ハイドロキシ-δ-2-デセン酸を含む。このデセン酸はインスリンとよく似た作用を持ち、体内の糖代謝を正常にする働きがあることが知られている。ローヤルゼリーはこれまでにも多くの健康食品や化粧品などに用いられているが、愛媛大学大学院・山田典子氏(現:国立病院機構愛媛医療センター付属看護学校)の研究グループらによって、ローヤルゼリーの継続摂取が若年女性の冷え症を改善することが明らかになったのだ。本研究は2008年度の山田養蜂場みつばち研究助成基金に採択されたもので、ローヤルゼリーの冷え症に対する有効性をプラセボ対照二重盲検試験によって確認した初めての研究論文として、学術誌にも掲載されている(日本栄養・食糧学会誌, 63 (6), 271-278, 2010)

 具体的な成果としては、冷え症の悩みを抱える若い女性が2週間ローヤルゼリーを摂取すると、冷たい水にさらした後の手の皮膚の表面温度の回復が早くなり、摂取前に比べ「手足や腰が温かい」という自覚が得られたという。

 このほか、ローヤルゼリーには骨密度の減少を抑えたり、肌の角層水分量を高める作用など、とくに女性に嬉しい効果があることが、山田養蜂場における様々な研究で明らかにされている。女性の悩みを解決するものとして、今後益々、注目が高まるかもしれない。(編集担当:藤原伊織)