ニトリHD<9843>は22日に3~11月期決算を発表。営業利益は12.9%増、純利益は13%増で3~11月期では過去最高益を更新した。2月期通期見通しは据え置き。しかし9~11月期は秋冬物の動きが鈍く3.2%の経常減益で7四半期ぶりの減益に転じ、12月の既存店売上高も3ヵ月連続のマイナスで、足元の収益の伸び悩みを問題視され180円安。材料出尽くしなどではなく真っ当な理由。ジーンズメイト<7448>は一時ストップ高の56円高で値上がり率1位。22日に12月の月次売上速報(20日まで)を発表し、防寒商品が好調で既存店売上高が11%増。この銘柄は投資雑誌が好んで特集する「PBR1倍割れ銘柄(24日時点で0.56倍)」で、好材料が出れば買いに火がつく。しまむら<8227>も12月の月次売上高(20日まで)を発表。こちらも寒さで冬物が好調で5.4%増で290円高。日本マクドナルドHD<2702>は、2015~2018年に国内約3100店の約6割を改装すると発表。カサノバ社長は「3つの課題に取り組む3年間の旅に出る」と表現した。株価は21円高。
山田線の三陸鉄道移管案に地元が合意したJR東日本<9020>は200円高で年初来高値更新、JR東海<9022>も465円高で年初来高値更新。年末年始はカレンダーが良く、円安で海外旅行が減る代わりに国内旅行が増えると期待される。東京ドーム<9681>は三菱UFJ証券がレーティング、目標株価を引き上げ43円高で値上がり率6位。来期は事業環境が好転すると見込まれる。ゲーム関連では直近IPO銘柄のgumi<3903>が売られ295円安で値下がり率3位。エイチーム<3662>も370円安で同6位だった。
新興市場は日経ジャスダック平均は0.26%上昇したが東証マザーズ指数は2.16%の大幅下落。アドウェイズ<2489>は日経新聞に今期の海外広告事業が初の黒字見通しという観測記事が出て6円高。3Dマトリックス<7777>は吸収性局所止血材「PuraStat」についてフランスで内視鏡分野での臨床使用が始まったと発表したが、同じ吸収性局所止血材「TDM-621」の販売提携に関し扶桑薬品<4538>、科研製薬<4521>との準独占的販売権許諾契約を解消した。3Dマトリックスは243円安で年初来安値更新、扶桑薬品は7円安、科研製薬は12円安と痛み分け。
新規IPOは3件。東証2部にホームセンター、建設会社、貿易商社などを傘下に持つ綿半HD<3199>が新規上場。今月に限らず今年のIPOの鬼門「東証1部、2部」だが公開価格640円に対し9時12分、6.25%高い680円の初値がついてなんとか白星。終値は684円。ジャスダックと名証2部に名古屋市が本社で居酒屋「や台や」、「や台ずし」、「ニパチ」などを展開する外食チェーンのヨシックス<3221>が新規上場。公開価格2640円に対し名証2部では9時00分、同額の2640円の初値がついたが、ジャスダックでは9時52分、29.3%高い3415円の初値がついた。名証2部の初値形成時の売買高は200株だけなので事実上は白星。終値は2853円。東証マザーズにソーシャル・ビッグデータ事業を行うデータセクション<3905>が新規上場。公開価格520円に対し11時4分、73.1%高い900円の初値がついた。終値はストップ高の1050円で高値引けと好調だった。
この日の主役はパナソニック<6752>とテンプHD<2181>。テンプHDは事前の報道通り、パナソニック全額出資の人材派遣子会社パナソニックエクセルスタッフを169億円で買収すると後場発表して135円高。テンプHDは現在、人材派遣の国内市場で第2位だが、第6位企業を買収すれば関西で営業基盤を強化し、売上高で首位のリクルートHD<6098>に迫ることができる。「選択と集中」の針を進めたパナソニックは21円高だった。五輪公式スポンサーの同社にはフランスの情報システム大手のアトスと東京五輪向けに防犯など最先端システムの共同開発で合意したニュース、パナソニックヘルスケアが会社員に健康への取り組みを促すシステムを発売するというニュースもあった。(編集担当:寺尾淳)