太陽光搭載のリミット迫る。2015年度、200万円超える負担増か

2015年01月02日 13:08

 経済産業省が発表した5月末時点の固定価格買取制度における太陽光発電システムの設備稼働量によると、2014年の1~5月の導入量(ACベース)は、3,381MW。この数字から判断すると、中国やアメリカなど世界各国が発表している2014年上半期の太陽光発電システム導入量を上回り、2014年上半期太陽光発電システム導入量は日本が世界1位となる。
 
 ちなみに2012年度は世界4位、13年度は世界2位。2013年までの太陽光発電累積設備導入量は世界第4位となっている。

 日本政府は2030年までに太陽光発電搭載住宅を1400万戸にすることを掲げているが、この目標値を疑問視する声もある。その理由は、売電価格の下落だ。言うまでもなく、日本の太陽光発電の爆発的な普及の背景には「売電」がある。高額な設備を導入しても、それを上回る売電収入を得られるという投資目的が普及の原動力となった。ところが今、この屋台骨が揺らぎつつあるのだ。2012年度には42円だった買取価格は、2013年には37.8円、今年2014年は34.56円と徐々に値下がりしている。2015年はさらに大幅な下落が予想されており、このままでは設備を導入する金銭的な恩恵は大幅に薄れてしまう。現状の20年間固定買取価格を利用するためには、2015年の1月末日までに申請を終わらせる必要がある。

 住宅メーカーのアキュラホームの試算によると、12.5kWの太陽光搭載の場合、現在の34.56円なら20年間で約1002万円の収入が得られるが、15年度が仮に5.4円下がって29.16円になった場合、20年間の売電収入は846万円となり、150万円近い減額になってしまう。リミットはもう、迫っているのだ。

 各住宅メーカーともに太陽光発電を備えた住宅の販売に力を入れているが、中でも積極的なのが、前述のアキュラホームだ。同社では1月2日から23日までの期間で、2220万円相当の大容量太陽光発電付き3LDK・2階建ての住宅を実質390万円で建築できる「初夢福袋」を提供する。この限定住宅は、1等は抽選で2本、福袋特別価格の1,390万円で提供。これを太陽光発電による固定価格買取制度20年間の売電収入1,000万円を差し引くと、実質390万円で建てられることになる。2等は4本、1,555万円(実質555万円)。3等は先着100棟を1,777万円(実質777万円)で提供。より多くの太陽光パネルを搭載し、発電効率を高めるために、太陽光パネルと屋根を一体化させたり、屋根形状に工夫を加えるなど、一般的な30坪程の住まいでも20年間の売電収入1000万円を可能にしているという。
 
 もちろん、アキュラホームだけでなく、太陽光発電に力を入れている大手メーカーのパナホームや積水ハイムなども、毎年新春フェアを催しているので、購入を検討する場合はWEBサイトなどを十分チェックした方がよいだろう。現行の売電価格を利用できるのは、新春のフェアが最後のチャンスとなる。

 さらに消費税の増税の可能性も考えると、買いどきと考えてもよいかもしれない。(編集担当:藤原伊織)