九州電力<9508>は21日、太陽光を中心とした再生可能エネルギー(再エネ)は発電の買取を再開すると発表した。再開するのは50kW未満の電力。
同社は、去る9月24日に電力の安定供給が困難となる見通しとなったことから、家庭用の太陽光など低圧10kW未満(余剰買取)を除いて、九州本土における再エネの接続申込みに対する回答を保留してきた10kW 未満の余剰買取を除く低圧については、受付け済であっても同社から負担金請求に至っていないものは回答保留の対象としていた。今回、9月24日までに受付け済の10kW 未満の低圧接続申込みに対し、回答保留を解除し、接続に向けた検討を再開した。
ただし、低圧敷地分割は例外となる。これは、同一の事業地における高圧連系となる 50kW 以上の設備などの大規模な太陽光発電設備を、低圧連系となる 50kW 未満の設備小規模設備に分割し、複数の連系案件として電力会社との接続協議に臨むケースのこと。こうした分割は、高圧連系で必要とされる電気主任技術者の選任が不必要となることなどもあって、社会的に不公平が生じているまた、小規模に分割することにより、電力会社にとっては不必要なメーター、電柱等を設置することになり、社会的な非効率性が生じる恐れがあると国の「買取制度運用ワーキンググループ」において結論が得られ、2014年度から、低圧敷地分割が設備認定されない措置(中止措置)がとられている。
九電では、今回の再開について、個人の事業者、特に住宅に太陽光発電設備を併設している顧客などから、早期の接続や回答保留の解除に関する申し出に対応した、としている。
1カ月ほど前にはバブルともいえる状況にあった太陽光発電だが、ここにきて状況は激変した。日本の太陽光発電の買取価格は10kW以上20年間で 32円+税、10kW未満10年間で37円。再エネ買取価格より高額だ。 普及をあせった政府の目論見が外れた結果となったといえよう。太陽光発電では同じく買取価格で失敗したドイツと同じ道をたどってしまうのだろうか。(編集担当:慶尾六郎)